紙おむつ“影の主役” 日本触媒SAPとDNA《下》

紙おむつ“影の主役”日本触媒SAPとDNA《下》

一つ、伝統の「現場の強さ」である。姫路は長く、日本触媒の創業の製品、無水フタル酸の生産を担ってきた。塩ビの可塑剤に使われる無水フタル酸は常温では固体になり、一瞬、温度管理を間違うとパイプが詰まる。「いちいちお伺いを立てていたら間に合わない。現場で考え、現場で解決してきた歴史がある。機械は動けばいい、ではない。使いこなさないと、品質が出ない」(姫路製造所長の尾方洋介常務)。

実は、日本触媒とアルケマの米国合弁会社、アメリカンアクリルも事故で止まった。尾方常務にすれば、「あそこの操業責任はアルケマ側。体の対応ができていない」。

二つ。増設に次ぐ増設が姫路を鍛えた。姫路の生産量は00年の45万トンが10年には倍の85万トン。建設の流儀は「バラコン」だ。ゼネコンに丸投げするのではなく、装置・機器はバラバラに自前発注する。詳細設計には製造現場も参加する。「現状の不具合がわかっているのは現場。建設、増産投資が最大の教育になる。このバルブ1個、シーケンス1つが、なぜ、必要か、建設してみないとわからない」(尾方常務)。

三つ目は、下からの改善運動だ。相次ぐ増設で工場全体に危機感が充満した。「この製造所、どないするんや」「いつか行き詰まるぞ」。

07年、課長クラス30人が半年かけて議論し、手作りで始めたのが「ものつくり一新活動」だ。

ポイントは、お仕着せのTPM(総合的設備管理)を反面教師とし、目標をカネに換算しなかったこと。カネを前面に出すと、防災=安全、作業改善が二の次になる。「この作業は本当に必要か」「ほかにやり方はないのか」。全業務を一から見直し、カネをかけても、作業改善・時間削減を優先した。そして、その成果。

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