「外資系コンサル」が大学生にこうも人気な理由 「20代で年収1000万円プレーヤー」に憧れ?

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早慶MARCHからのアクセンチュアへの2022年の就職者は194人いる。2010年代半ばまでふり返ると、2016年92人、2020年162人、2021年173人となっており、増加傾向にある。

早稲田大、法政大、立教大出身の学生の話を紹介しよう。

早稲田大国際教養学部(2019年卒)のYさんはこう話す。

「SILS(国際教養学部の英語略称)にはグループで議論や発表をするインタラクティブな講義が多くありますが、様々な背景を持つ学生が互いに協力しアウトプットする過程で、コンサルティングに必要な適応力が養われていると感じました」(「早稲田大国際教養学部案内2023」)

法大、立大の卒業生は?

法政大社会学部出身(13年卒)の男性Hさんはゼミでは国によって異なる国家形成の成り立ちや変遷を学び、現代にまでつながるさまざまな国際社会の問題を理解した。生まれた国や環境によって生じてしまう安全や教育、そして健康などの格差などの社会的な課題を知ることになる。

これらを解決するためには表面上の事象だけでなく、複雑な社会背景を正しく理解する必要性を感じた。こうした学びは仕事にもつながったという。

社会学部は多摩キャンパスにある。市ケ谷キャンパスと比べて講義終了後に残っている学生が少なく、その理由を調べてみるとサークル参加率が低いことがわかった。

「これは情報不足が原因ではないかと仮説を立て、サークル情報を一覧化したフリーペーパー『エッグマガジン』を発行したところ、参加率の向上や学内イベントの増加といった成果をあげました。問題を発見し解決する楽しさを学んだと同時に、エンジニアとしてIT、コンサルティング業界を目指す原点となった経験です」(「法政大社会学部案内2023」)

立教大経営学部出身(2017年卒)の女性Kさんは、現在、コンサルタントとして基幹システム導入支援などを担当している。クライアントが抱える経営課題は、国内だけで解決するとは限らない。そこでアクセンチュアにおいて先進技術を持っているインド法人など、海外の事例から学ぶことも少なくない。

そのとき必要となる力、すなわち英語でインプットして、それを自分の形にしてアウトプットしていく力は、経営学部の授業で培われたと、振りかえる。

「この仕事はプロジェクト型の働き方がほとんどで、まさに立教経営でのグループワークそのもの。入学時から数多くのグループワークを経験してきたこともあり、自然とバックグラウンドの違う人とコラボレートする姿勢やスキルが身についていました。

立教経営の学びは、日々の課題や授業をしっかりこなしているだけで、きちんと自分の力になっていくことを実感しています」(「立教大経営学部案内2023」)

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