「外資系コンサル」が大学生にこうも人気な理由 「20代で年収1000万円プレーヤー」に憧れ?
大学入学してすぐに将来のことを考える学生のなかには、外資系コンサルタント会社に対する神話めいた話が伝わることがある。入社後、数年で責任ある大きな案件を任せられる。年功序列は無縁で成果主義で評価される。能力に応じ日本企業の同年代よりもはるかに高い給料が保証される、そんな話が学生のあいだに浸透している。
「20代で1000万円プレーヤー」という言い方が、「外資系コンサル」を語る際、つきまとってしまう。これらの話は間違ってはいない。しかし、かなり厳しい競争社会である。成果が出せなければ、日本的終身雇用は通用せず、追い出されてしまう。よほど優秀でなければ、「20代で1000万円プレーヤー」にはなれない。
早稲田大政治経済学部教授の教え子で、東大文一に合格できなかった男子学生がいる。数学が抜群にでき、将来、理論経済学の学者にさせたかった。しかし、彼は第1志望がマッキンゼー、第2志望は外資系銀行、第3志望が国家公務員で就職活動を進めていた。
「以前ならば考えられなかった。いま、官僚の人気がなくなったのはわかる。これまでなら銀行や商社を選んでいた。でも、自分の力を試してみたいと言い出したのです。将来はハーバードかスタンフォードでMBAを取って独立するようなことも考えているようです。海外に頭脳流出している感じです」
アクセンチュアは職種別採用を行っており、「ビジネスコンサルタント」「デジタルコンサルタント」「ソリューション・エンジニア」「クリエイティブ」「AIアーキテクト」「デザイン」などに分かれている。
外資系コンサルはどのような学生を求めているのか
早稲田大出身で2012年に同社に入社、現在、人事採用担当を行っているFさんによれば、学生には2パターンがあるという。1つは学生時代に培ってきた専門分野を生かせる人で「データサイエンティスト」「AIアーキテクト」などの職種に多く見られる。もう1つは専門性を持たず、率直にご自身の興味、または今後の可能性を考えて職種を選ぶ人だ。
将来、起業したいから入社する人も少なくないようだ。アクセンチュアを自分がやりたいことをかなえるためのプラットホームだと思って活用してくださいと、会社は伝えているという。
Fさんはこう話す。
「アクセンチュアに合う方には長く働いてほしいとは思いますが、何か成し遂げたいことがあったり、こういう自分になりたい、こういう仕事をしたい、という思いを尊重する文化が根底にあります。ですので、一生を会社にささげる必要は全くなく、『ポジティブな卒業』という選択も受け入れられているイメージですね」(「早稲田ウィークリー」2022年12月5日)
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