株価が急落「クレディ・スイス」何がヤバいのか 問題はシリコンバレー銀行破綻の余波ではない

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スイス・チューリヒにあるクレディ・スイスの本社(写真:Pascal Mora/Bloomberg)

かつてスイスの誇りの象徴であった166年の歴史を持つクレディ・スイスは、同行が資金不足に陥ることを恐れた投資家が株式を切り捨て、デフォルトに対する債務保証の価格が急騰したことによって、命懸けで戦っている。

ヨーロッパでの取引終了後、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行は、「必要であれば 」クレディ・スイスの支援に乗り出すと述べた。

3月15日に同社の株価が危険なほど下落する直接的なきっかけとなったのは、同社の筆頭株主であるサウジ国立銀行のアマル・アル・クダイリー会長のコメントだった。テレビのインタビューで、アル・クダイリー氏は、同行はクレディ・スイスにこれ以上資金を投入することはないと発言した。その後、規制上の問題から、同行がすでに保有している9.9%を超えることはないだろうと先の発言をより詳細に説明した。

SVBとは関係ない個別の「問題」

それでも、投資家がクレディ・スイスの株を売る動きを止めることはできなかった。

先週のシリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受け、投資家が世界の金融システムの安定性に対していかにパニックを起こしているかを示す証拠となる、顕著な反応であった。SVBの急速な破綻は、投資家や預金者の目を、アメリカや世界の他の銀行を脅かす潜在的なリスクに向けさせ、銀行株や金融市場の広範囲な売り越しを誘発した。

しかし、クレディ・スイスの問題はーースイス・チューリヒにある円柱形の本社は、アメリカ・カリフォルニア州にあるSVBの拠点から5800マイル以上離れたところにあるーーはSVBの破綻とはほぼ関連しておらず、ほとんどはクレディ・スイス自体が作り出したものだ。14日、スイスの銀行が財務報告に関する「重要な弱点」を特定したと発表したことは、その助けにならなかった。

クレディ・スイスの株価は15日、スイス証券取引所で24%下落し、過去最低を記録。債券の価格も急落した。債務不履行を保証する金融契約のコストは、過去最高水準に急騰した。

SVBとは異なり、クレディ・スイスは年末時点で5690億ドルの資産を有し、膨大な資本要件が課されるグローバルなシステム上重要な金融機関とみなされている。モーニングスターのリサーチアナリスト、ヨハン・ショルツ氏は、「クレディ・スイスのバランスシートに穴が開いている様子はなく、世界中の中央銀行に保管されている数百億ドルの現金を引き出すことができる」と語る。

しかし、その運営資金を調達するためのコストは大幅に跳ね上がっている。

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