歩き方が「下手」な人に欠けている2つの能力

馴染み深い行為こそ、人生を左右する?

一つは「観察力」。彼らは、観察力が欠けているから、歩き方の上手い下手が見分けられない。見分けられないがゆえに、結果として歩き方が下手なままでいるのだ。

この「観察力」というのは、人生を大きく左右する。ぼくは先日車にはねられてしまったが、これなども、観察力の低さからくる事象だといえよう。ぼく自身、迫り来る車に気づけなかったのは観察力が足りなかったからだし、逆にはねた方も、道を渡ろうとした歩行者に気づくのが遅れたのは、やっぱり観察力の低さからくるものだ。

交通事故の場合、こうした観察力の低さはそのままその人の命運を決することとなる。はねられて死んだらそこで一巻の終わりだし、はねた方だっていろいろ大変な目に遭うだろう。このように、観察力というのはその人の一生を大きく左右する、非常に重要な能力なのだ。

殻に閉じこもる人には、「畏れ」が足りない

こうして考えると、「観察力」というのは、そのままその人の「能力」と言い換えることもできるかもしれない。古今東西、観察力が低くて能力が高いという人を、寡聞にして知らない。それほど、観察力は人間にとって重要な素養なのだ。

歩き方の下手な人に欠けているもう一つのことは、この世界――あるいは他者に対する「畏れ」である。

あるとき、「観察力は何によって養われるか」ということを考えていたのだが、そこで出た結論は、「畏れ」だった(あるいは「怖れ」と言い換えてもいい)。「観察力」の高い人は、世界――あるいは他者に対して、強い「畏れ」を抱いているのである。マンガ「ゴルゴ13」の有名な台詞に、「殺し屋に最も必要なのは臆病さだ」というものがある。臆病な人間でなければ、殺し屋は務まらないというのだ。

人間は、臆病であるからこそ、用意周到になる。その反対に蛮勇の持ち主であれば、どこかに遺漏をきたし、ミッションを果たせなかったり、死んでしまったりするのだ。「観察力が足りない」というのは、この臆病さが足りないのである。世界に対する「畏れ」が足りない。それゆえ、周囲のことが気にならないので、観察しなくなるのだ。

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