中国は内陸の原発建設を見直し、風力発電に注力へ--電力業界幹部
中国の電力業界団体、中国電力企業連合会の魏昭峰・専任副理事長は東日本大震災による原発事故を受け、中国の原発政策も安全を十分に重視する必要があるとの考えを示した。内陸部での原発建設が抑制される一方、将来的には風力発電が中国の主要なエネルギー源となると予想されるという。
中国国内で開かれた「2011年の経済動勢と電力発展に関する分析予測会」で明らかにした。同連合会は中国が原発を推進する上での基本原則を、従来の「強力に原発を発展させる」方針から、「安全かつ効率よく原発を発展させる」方針に転換するべきだとした。
また同連合会の予測では、20年に9000万キロワット(発電容量ベース)を原発で発電する目標は、1000万キロワット程度少なく見直される見通しという。全エネルギーに対する原子力の比率も3%を超えない(東洋経済オンライン注・現在は2%)程度に調整される。
立地については、従来は遼寧省、山東省、江蘇省、浙江省、福建省、広東省といった沿海地域を原発の主な立地先すると同時に、江西省、重慶市など内陸部にも原発計画が予定されていた。だが最新の計画では、内陸部での原発建設計画は当面見送られる見通しだ。また、地質測定の結果、遼寧省と福建省は地震地帯に位置することが判明しており、両省への原発建設は再検討される。
また魏副理事長は、風力発電は将来的に水力発電と同等の水準に達し、中国の主要なエネルギー源になるとの見方を示した。従来は火力発電と水力発電、原発が主要なエネルギー源と位置づけられていたのに対し、風力発電と太陽光発電は下位にあった。
だが電力需要のピーク時に火力と風力を組み合わせることで、将来的に風力が補助的なエネルギーから代替エネルギーに“昇格”し、主要なエネルギー源のひとつとなるという。20年には風力発電は1.8億キロワット(発電容量ベース)に達するとみている。太陽光は製造コストの問題から風力ほどは活用されない公算。一財網が3月27日伝えた。
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