「元徴用工問題」解決策出した韓国と日本の決定差 「決められない」岸田氏を待っていられなかった
中国のケースでは、三菱は「元労働者への歴史的責任に関して心からの謝罪を表明」している。その1年前にも、三菱マテリアルはアメリカ・ロサンゼルスで、強制労働に使われた元アメリカ人捕虜とその家族に対して謝罪の意を表明している。
ミュンヘンで林外相との会談を終えた朴外相は、韓国メディアに対し、当局者レベルの会談は終わったと語った。そして、「あとは政治的な決断が下されるだけだ」と、明らかに岸田首相を指して言った。
揺らぎ続ける岸田首相
6日に発表された宣言は、もはや岸田首相を待つことはできないという結論に至ったことを示している。岸田首相は、日本の右翼保守派の圧力によって常に揺らぎ続け、強制労働者への謝罪や直接補償に反対している。
今回の韓国の宣言は、補償は日本からの資金を当てにせず韓国側が行うという、現実への諦めである。日本は、柳氏によれば、「金銭的な責任からは解放される」が、「道徳的な責任からは解放されない」という。
日本政府関係者は6日、韓国の宣言を受けて、日本企業が「自発的」な貢献をする可能性に言及した。しかし、これは経団連と韓国経済団体が共同で、若者を対象とした「未来志向」の活動に資金を提供するための新たな別基金を創設するという提案のことを指しているようだ。同基金に対する日本の支援は韓国側にも歓迎され、実現する可能性が高いと思われる。「しかし、この決定は核心的な要素ではない」と、尹政権に助言してきた柳氏は説明する。
尹政権は、戦略的なレベルにおいて、岸田内閣が今のところ完全に受け入れることをためらっているような政治的決断を下したのだ。
「この決断は、1998年の、金大中元大統領と小渕恵三元大統領による『日韓共同宣言』に相当するものだ。これは、その後25年間にわたる両国の良好な関係の基礎を築いた」と柳氏は語る。
「もちろん、野党はこの協定を屈辱的なものだと言って、尹政権を批判するだろう。しかし、これは決して『合意』ではない。日本政府の立場を考慮し、この問題をきっぱりと解決しようとする、韓国政府の一方的な決定だ」
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