「元徴用工問題」解決策出した韓国と日本の決定差 「決められない」岸田氏を待っていられなかった

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この基金には、1965年の国交正常化に伴う「日韓請求権協定」において、日本が提供した支援から多額の融資や助成を受けた韓国の鉄鋼メーカー、ポスコをはじめとする韓国の公営企業がすでに拠出していた。

日本製鉄と三菱重工業は、2018年に韓国の裁判所から賠償金の支払いを命じられていたが、日本政府はこれが過去の条約に違反するとして、事実上これを無効としていた。2014年の基金を使うことは、この問題は1965年に解決済みであるという日本の主張を暗黙のうちに認めることになり、大きな譲歩となってしまう。さらに重要なのは、日本側が韓国の裁判所による、賠償金を支払うために2社の資産を差し押さえるという決定を下すことの回避を望んでいることだ。

譲歩の姿勢をまったく見せなかった日本

昨年夏以降、この方向で日韓両政府の合意を形成しようとする協議が行われてきた。韓国側の見解は、この解決策は日本が2つのステップを踏んだ場合にのみ有効であるというものであった。

まず、日本政府が日本企業に対して、この基金への拠出が可能であることを伝え、さらには、そうするよう促す必要があること。第2に、日本企業、そして可能であれば日本政府が、被害者に直接何らかの形で謝罪する必要があるということだ。

この韓国の見解は、道徳的信念と政治的現実の両方から生まれたものである。被害者の同意がなければ、韓国内でこの解決策を受け入れることは不可能であり、韓国の裁判所が訴訟の解決策としてこれを承諾するかどうかも定かではなくなる。

最近のミュンヘン安全保障会議の傍らで行われた朴振外相と林芳正外相との会談をはじめ、両外務省間の協議で明らかになったように、日本側はいずれの点でも譲歩するつもりはなかった。

韓国側が1965年の合意に基づくという決定的な譲歩をしたにもかかわらず、日本政府は、日本企業による謝罪と被害者への直接支払いは受け入れられないと主張し続けている。しかしこれは、2016年に三菱マテリアルが中国人強制労働者による同様の訴訟を解決するために結んだ合意、という明確な前例を無視しているものだ。同社は、戦時中に強制労働者として使われた約3765人の中国人に対し、約6000万ドルを支払っている。

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