クラウンやプリウスなどの最旬カスタマイズ5選 自動車メーカーカスタム仕様を発表する真意

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クルマの外装などをカスタマイズするといえば、かつてはアフターパーツメーカーや専門ショップが手がける製品を取り付けることが定番だった。だが、近年は、前述の通り、各自動車メーカーがリリースする純正のアクセサリーやオプションパーツを装着するユーザーも増加傾向にある。しかも、そうしたユーザーの多くが、新車購入時と同時にパーツを注文し、納車時にはすでにカスタムされた状態となっていることも多い。

ユーザーにしてみれば、ディーラーが扱う純正などの製品であれば、車検も通るし、トラブルに対する保証もあるなどで、安心感が高いのだろう。とくに最近のクルマは、例えば、前後バンパーに衝突被害軽減ブレーキなどのADAS(先進運転支援システム)用センサーなども付いている。そのため、未対応の社外品などを付けると、正常な作動をしない危険性もある。そうした不安からか、余計に純正品への信頼感が高まっているのだろう。

もちろん、そのあたりは、多くのアフターパーツメーカーや専門ショップなどもきっちりと対応しているだろう。だが、従来よりも開発費などがかかることは確かだ。そのうえ、ディーラーに流れるユーザーも増えているのだから、ビジネス的にかなり苦戦している企業も多いことがうかがえる。

多様化した今、ニーズに応えるカスタマイズの需要も

ともあれ、ここで紹介したメーカー製カスタマイズ車は、そうした背景から生まれているといえる。コンセプトモデルの場合は、すべてが販売されるわけではないものの、例えば、近年人気のアウトドアにマッチするモデルであることをアピールするなど、クルマのイメージをより強調するといった効果もある。

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とくにスバルでは、新しくブーストギアというアウトドア系パーツブランドまで立ち上げるほどだ。いかに、今の純正カスタマイズパーツが、新車の売り上げに貢献するのかがよくわかる。同社の場合は、かつてWRCなどラリーの世界選手権などでも活躍し、今でも多くのファンを持つ「STI」というスポーツブランドがあり、その特別仕様車も数多くのユーザーが購入しているからなおさらだろう。ブーストギアが、アウトドア版STIとなれるのかも注目点だ。

いずれにしろ、今後もメーカー製のカスタマイズパーツが、ユーザーから一定の支持を受け続けることは確かだろう。また、新型車の登場に合わせ、そのスタイルやイメージ、時代のニーズなどに応じた、多様な仕様やデザインを持つさまざまな製品が登場することだけは間違いない。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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