子どものことは「親の責任だ」に苦しむ親たちへ 「みなさんはじゅうぶんにがんばっています」

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子どもがいつまで経ってもトイレを1人でできない。保育園に入ったのに大人数で遊ぶことができない。小学生だけど授業中イスにじっと座れない。漢字も計算もほとんどできない。そんなさまざまな壁が目の前に立ちはだかると、「あなたの子育てが悪い」と言われているかのように親は感じます。まわりに助けを求めたときに、直接そんな言葉をかけられた方もいるでしょう。

たしかにいっしょに暮らす親がどう在るかは、子どもの成長に大きく影響を与えます。ただ子どもたちは生まれた瞬間から大勢の人に囲まれて生きています。生まれた病院の先生や看護師に始まり、家族、親戚、保育園、地域クラブ、ご近所さん、学校、近所の駄菓子屋さんだって、子どもに影響をあたえる1人。1人の大人が子どもにかける「元気?」、「こんにちは」、「よくがんばったね」という声が、子どもの心に1つまた1つと積みあがっていくのです。子どもたちは何も親の影響だけを受けているわけではありません。

核家族化が進み、最近は祖父母に頼りづらくなりました。地域のつながりも希薄化し、困ったときにSOSを出せる相手も減りました。「親」という仕事が、いつのまにかこの社会でもっとも孤立しやすいものになったように私は思います。とくに子育ては、正解のない仕事です。子育ての結果は、10年や20年経ってもわかりません。そんな大きな仕事を「親」であるみなさんはしてくださっています。

感謝されるべき

私は「親」という役割を担うみなさんにもっと感謝したいと思っています。「親の責任だ」と、親を孤立に追い込むだけの言葉には聞く耳を持たないでください。不登校になると、衣食住に加えて、学びや人とのつながりなど、子どもの人生すべてを見なければいけなくなります。1人で担うには重たすぎます。これだけのものを背負って尽力されているみなさんは、むしろ感謝されるべき存在です。ぜひ「親はこうあるべき」という親の鎧を脱ぎ、「私もよくがんばったよね」と、自分を認めてあげてください。それが難しいときは、ぜひ「お母さんのほけんしつ」に立ち寄ってください。私たちがみなさんに「ありがとう」を伝えます。

執筆者/土橋優平(どばし・ゆうへい)
NPO法人キーデザイン代表理事。不登校支援のほか保護者向けLINE相談「お母さんのほけんしつ」を開設中。

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日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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