子どものことは「親の責任だ」に苦しむ親たちへ 「みなさんはじゅうぶんにがんばっています」

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子どもがもがいているとき、親も一緒にもがいているということも(写真:不登校新聞)
「子どもに寄り添って」。そうたくさんの人が親にアドバイスします。しかし、「子どもに寄り添うのをやめてください」と不登校支援にたずさわる土橋優平さんは言います。なぜなら、親はこうあるべきという価値観が、親をしばり、苦しめてしまうからです。親御さんはもう十分がんばっている、「親の責任だ」なんて言葉には聞く耳を持たないでください、と土橋さんは訴えます。
(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第9回)※写真は土橋優平さん

子どもの不登校…親も弱音を吐きたい

「子どもといっしょに居るのが正直つらくて」。「本当は親も弱音を吐きたい」。そんな声が私たちのところに数多く届きます。つらそうな子どものようすを見ている親御さんも苦しいですよね。

当記事は不登校新聞の提供記事です

そこで大切なのは、子どもに寄り添うのをやめることです。「子どもに寄り添ってと言われ続けてきたのに」、「親としてそれってどうなの」。そんな声が聞こえてきます。「親はこうあるべき」というその価値観が、親御さんの心と頭をしばり、余裕をなくしてしまっているのです。私はそれを「親の鎧」と言っています。

子どもが生まれてからというもの、ずっと子ども中心の生活をされてきたと思います。成長につれて子どもはできることが増え、関わる人も増えていきます。親としては「これはできてほしい」という子どもへの期待がだんだんと膨らみます。じつはこの「期待」には、ある考えが隠れています。それは「子どもがちゃんとできるかどうかは親の責任だ」という考え方です。

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