日本は地震から復興できるが、財政への影響を予測するのはまだ難しい《ムーディーズの業界分析》

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加えて、日本は、2009年時点でGDPの59%に相当する、大規模な先進国の中でも最高水準の対外純資産を有しており、これも支えになるとみられる。円相場は安定的に推移するとみられ、地震の金融市場への影響は最小限に抑制されるだろう。

被害を受けた地方自治体への財政上の影響については、日本ではリスクの社会化が行われてきた長い歴史があることを踏まえると、中央政府がコストを分担することで、地方自治体への影響は緩和されるとムーディーズは予想している。損害・復興費用が、公的資金、民間保険、民間貯蓄の間でどのように分担されるかは現時点では不明であるが、1995年の阪神・淡路大震災の際は、公的資金によってコストの大部分が賄われた。

最後に、政府は財政コストの規模にかかわらず、緊急援助と復興への取り組みを最優先していることをムーディーズは認識している。事実、与野党は、迅速かつ効果的な危機対応の必要性について合意している。しかし、長期的な財政・経済改革と債務抑制に取り組むために、相応の合意と切迫感が欠如している点を、ムーディーズは依然として懸念している。

写真はイメージです。撮影:今井康一
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