すかいらーく発祥「ひばりが丘団地」64年経った今 古い団地とベランダはなぜ「保存」されたのか
中高層の建物が立ち並ぶ住宅団地の中に、少し変わった空間がある。低層で変わった形の建物とその横にあるベランダをくっつけたような格好のデッキだ。
建物は真上から見ると、Y字のような形をしている。この建物は「星形住宅」あるいは「スターハウス」と呼ばれる住棟だ。1950~1960年代に建設された住宅団地に多く見られ、現在では建てかえが進んで貴重な建築となっている。
また、デッキをよく見ると、ベランダをくっつけたような、ではなく実際にベランダを移設していることがわかる。ただ、何の変哲もないベランダで、なぜここにあるのか、不思議に思う人もいるだろう。
この空間があるのは、東京西郊にある住宅団地「ひばりが丘パークヒルズ」の一角だ。このエリアは、以前「ひばりが丘団地」と呼ばれていた。
この場所になぜ建物とベランダが保存されるに至ったのか。そのワケをひばりが丘団地の歴史、現在の歴史を見つつ探っていく。
最寄り駅はひばりヶ丘駅
「ひばりが丘パークヒルズ」の最寄り駅は西武池袋線のひばりヶ丘駅だ。池袋から急行で15分ほどところに位置する。このあたりでは主要駅で、多くの優等列車が停車する。駅南側には、パルコと西友がある。バスも頻繁に発着し、乗客も多い。
ひばりヶ丘駅から「ひばりが丘パークヒルズ」へは1kmと少し。徒歩では15分ほどかかるため、徒歩では少し遠く感じる距離で、団地へ向かう人はバスに乗る人が多い。
バスに乗ると、駅前の通りを抜けて右へ曲がり、狭い通りに入る。バスがすれ違うのがやっと、乗用車とすれ違う時も慎重にバスは進む。途中クランク状の場所には警備員が立ち、バスを誘導していた。この狭い道を歩いて駅に向かうのは中々大変だというのもバス利用の多さにつながっているのだろう。
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