「住民からの蔑視も?」公務員のストレスの要因 クレームにも「公正中立」の公務員は反論できず
公務員、特に基礎自治体の職員は、対象とする顧客が非常に幅広いため、相手に応じて話し方や内容を上手く使い分けるコミュニケーション能力が強く求められるのです。
市職員が小学校や中学校で授業を行う、出前授業というものがあります。例えば、将来、児童生徒が有権者となった場合に投票を棄権しないように、また広く選挙について知ってもらうため、選挙管理委員会の職員が説明をするのです。
こうした時に求められるのは、児童生徒に興味を持ってもらえるように話すことです。「投票箱や記載台は、実はこのように組み立てるのです」とか、「投票日当日、最初に投票に来た住民には、投票箱が空であることを確認してもらうのです」など、児童生徒を引き込むことが大事です。
生活保護の相談はシビア
当然のことですが、興味を持ってもらえなければ、児童生徒は「つまらない」という顔をしますので、それはそれで職員としても、非常につらい時間になってしまいます。また、「とにかく説明だけすれば良いや」と開き直って、事務的な説明に終始してしまうと、後日、その小中学校からクレームが来てしまうので、やはり職員としても気が抜けないのです。
同様に、気を抜けない場面として生活保護の相談があります。ここでは、かなりシビアな対応が求められます。残念ながら、生活保護の相談の中には、「何とか役所をだまして、生活保護を受給しよう」というケースが少なくないからです。
実際に、自分も騙されたことがあります。ある高齢男性が生活保護の相談に来たのですが、記憶喪失とホームレスを装っていたのです。このため、本籍地や現住地を確認できないまま保護を開始してしまったのですが、実は別な地域で生活保護を受給していたことが、後日判明したのです。
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