「住民からの蔑視も?」公務員のストレスの要因 クレームにも「公正中立」の公務員は反論できず

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところで、公務員に対するクレームには、民間企業とは異なる特徴があると思います。その1つは、住民の中には、公務員に対して偏見を持っている人がいることです。つまり、「公務員は働かないし、サービスがなっていないお役所仕事だ。だから、批判しても構わない」、「前例踏襲の公務員になる人なんて、民間企業では通用しない人間だ。そんな職員は、注意すべきだ」など、公務員を見下していることです。公務員蔑視と呼んでも、良いかもしれません。

また、公正中立を旨とする公務員は、業務の性格上、なかなか反論することが難しいということも特徴の1つかもしれません。民間企業であれば、「民民」の関係ですので、「そんなに苦情があるならば、購入していただかなくて結構です」、「代金を返金しますので、商品を返品してください」などの対応ができますが、公務員の場合には、そうした対応が基本的にできません(もちろん、民間企業には民間企業ならではのクレーマー対応があることは理解しています。また、公務員に対するクレームの方が、民間企業よりもひどいという意味ではありませんので、念のため)。

クレームには組織で対応

このような話を聞くと、就活生の皆さんは、少し引いてしまうかもしれません。しかし、入庁後にこのような実態を初めて知ることになると、あまりにもショックが大きいかもしれません。そのため、ある程度のことを本で知ることも無駄ではないと思います。

さて、以上のようなことを踏まえ、公務員のクレーマー対応について、どのように考えたら良いのでしょうか。

まずは、組織的対応が必要だということです。クレームを受けている職員1人だけでなく、その職場にいる職員全員で、その職員をフォローすることが必要になります。

そのためには、ある程度の時間が経ったら、主任や係長など別な職員が出ていき、「どうかなさいましたか。私が代わって、お話をお伺いします」と言って、雰囲気を変えます。

次ページ持久戦に持ち込む
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事