アメリカの高校生が授業で習う「分散投資」の基本 幅広い銘柄を保有、分散投資する「ETF」

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ちなみにバンガードは、VTIと同じ指数に連動するバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド(VTSAX)という投資信託も出しているが、総経費率はVTIのほうがわずかに低い。

ETFが連動する指数は、S&P500や、VTIが連動するCRSP USトータル・マーケット・インデックスといった幅広い銘柄をカバーした指数だけではない。ある特定のセクターや、特定の投資戦略の指数に連動するETFもたくさん出ている。

自分の投資戦略と合っているか

たとえば、ファイナンシャル・セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)は、S&P500に含まれる銘柄のうち、金融セクターの普通株だけを集めたETFだ。金融セクターに興味はあるが、個別株は買いたくないという投資家は、このようなETFを買うことで、金融セクターの幅広い銘柄を保有することができる。

また、ある特定の戦略に特化したETFも数多く存在する。しかし、ここでは注意が必要だ。指数に連動するETFだからといって、必ずしも投資する価値があるとはかぎらない。ETFの中には、市場のごく一部だけを対象にしたものや、極度に攻撃的な運用をするものもある。

たとえば、レバレッジを効かせた運用(自己資金ではなく、借りたお金で運用すること)をするETFは、プロのトレーダーだけにまかせておいたほうがいいだろう。市場の値下がりで巨額の利益を出すことを狙うレバレッジ・インバース型ETFなどは、とくにリスクが大きい。

そのようなリスクの大きい投資が、本当に自分の投資戦略に合っているのかよく考えてみよう。あなたの戦略はあくまで長期投資なので、大きなリスクを取って短期的に大きな利益を狙う投資は、自分には合わないということがわかるはずだ。

やはり長期投資に適しているのは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)や、バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)など、幅広い銘柄をカバーしたETFになる。

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