アメリカの高校生が授業で習う「分散投資」の基本 幅広い銘柄を保有、分散投資する「ETF」

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ETFが向いているのは、ある特定のセクターや市場全体に投資したい人、そして株式と同じように市場で売買したい人だ。ETFは分散投資を実現する優れた方法だ。たとえば、あるセクターのETFを持っていれば、そのセクターに集中投資しながら、銘柄は十分に分散させることができる。

ETFの主な利点は、インデックスファンドであることと、手数料が安いことだ。ETFを買うだけで、コストをかけずに十分に分散されたポートフォリオを組むことができる。

ただし、注意しなければならないこともある。ウォール街が新しい金融商品や投資戦略を発表するのは、取引量を増やしてより多くの手数料を稼ぐという狙いもあるからだ。堅実な個人投資家であれば、長期投資で利益を出すことを目指しているはずなので、プロのトレーダーのように取引をくり返す投資商品はそもそも向いていない。優良な投資商品を長く保有するという基本的な戦略を忘れないようにしよう。

まとめると、ETFは、お金をかけず、しかも手軽に、十分に分散されたポートフォリオを組むことができる優れた投資商品だ。

インデックスファンド+ドルコスト平均法は、最強の組み合わせ

ドルコスト平均法とは、同じ額を定期的に積み立てていく投資法のことだ。リスクを分散しながら資産を形成することができる。個別株もこの方法で積み立てることはできるが、ドルコスト平均法がもっとも威力を発揮するのは、インデックスファンドと組み合わせたときだ。

たとえば、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド(VTSAX)をドルコスト平均法で積み立てれば、長期的には平均の購入額を低く抑え、さらにリスクも軽減できる。VTSAXの基準価額が100ドルのときに1000ドル分購入すれば、ファンドを10口所有することになる。翌月も同じように1000ドル分購入し、基準価額が104.5ドルに上がっていれば、購入する口数は9.5口だ。

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