アメリカの高校生が授業で習う「分散投資」の基本 幅広い銘柄を保有、分散投資する「ETF」

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インデックス投資の落とし穴2:エンハンストファンド

インデックス投資で気をつけなければならないもう1つの落とし穴は「エンハンストファンド」だ。エンハンストファンドもインデックスファンドの一種だが、連動する指数とまったく同じ銘柄構成にするのではなく、少し手を加えることで、指数よりも上の成績を目指している。ファンドマネジャー独自の判断で、これから値上がりすると読んだ銘柄の比率を上げたり、値下がりすると読んだ銘柄の比率を下げたりする。指数に入っていない銘柄を加えることもあるかもしれない。

一見よさそうに見える「エンハンストファンド」

それだけ聞けば、たしかによさそうなファンドだ。インデックスファンドが理にかなった投資であるなら、連動する指数に手を加えてさらに上の成績を目指すのも理にかなっているような気がする。ファンドマネジャーが、そのときの状況に応じて、値上がりしそうな銘柄を増やしたり、値下がりしそうな銘柄を減らしたりしてくれるのだ。理論上は、ポートフォリオに含まれるリスクはインデックスファンドとほぼ同じで、成績はインデックスファンドをやや上回るという設計になっている。

しかし、現実はそんなに甘くない。実際のところ、エンハンストファンドがインデックスファンドを上回ることはめったにない。それに加えて、エンハンストファンドは手数料が高く、さらに構成銘柄の売買もよく行われるので、投資家はそのたびに税金を払わなければならない。つまり、コストが高いという点で、インデックスファンドには確実に負けるということだ。

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まとめると、「エンハンスト」や「プラス」や「マネージド」といった言葉が名前に入っているインデックスファンドは注意が必要だ。これらの言葉が入っていたら、アクティブファンドと同じように十分にリサーチする必要がある。それに、たとえ「エンハンスト」という言葉が入っていても、実際にエンハンストと呼べるような中身になっているとはかぎらない。

とにかくファンドの目論見書をよく読むこと! 基準となるインデックスを上回る成績を目指すというようなことが書いてあり、実際にそのような戦略になっているなら、それはたしかにエンハンストファンドだ。そうでないなら、インデックスファンドを買ったつもりだったのに、実際はアクティブファンドだったということになりかねない。

ティモシー・オルセン

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金融の専門知識が豊富な個人投資家。わずか13歳のときに『13歳からの投資のすすめ』(東洋経済新報社)を出版し、現在の年齢は30代前半になる。同書は、ティーンエイジャーがティーンエイジャーに向けた書いた投資ガイドという点で画期的な一冊だった。本の出版以来、長年にわたってティーンを対象にした金融・投資教育の重要性を訴えてきた。ルイジアナ州立大学でファイナンスの学士号、ロヨラ大学ニューオーリンズ校で修士号をそれぞれ取得。多数の高校や会議で金融と投資に関する講演を行い、CNBCやブルームバーグをはじめとする金融情報のテレビ番組にもゲスト出演の経験がある。

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