アメリカの高校生が授業で習う「分散投資」の基本 幅広い銘柄を保有、分散投資する「ETF」

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翌月の基準価額が91ドルに下がれば、今度は同じ1000ドルで10.9口購入できる。この3カ月後の保有口数は30.4口で、平均の購入価格は1口当たり98.7ドルだ。これを長期にわたって続けると、価格の変動によるリスクをさらに軽減することができる。

インデックスファンドの「リスク」

インデックス投資の落とし穴1:オーバーラップ

前回と今回の記事ではここまで、インデックスファンドの「利点」ばかりを紹介してきた。しかし、いうまでもなくどんな投資にも「リスク」は付きものだ。

本記事をしめくくる前に、そのことについても触れておきたい。

まずは「オーバーラップ」だ。オーバーラップとは、ポートフォリオの中に同じような銘柄を集めた投資信託、あるいは同じような戦略で投資する投資信託が複数ある状態のことだ。これはよくないことであり、もしかしたら自分では気づいていないかもしれない。

たとえば、アメリカ市場全体に投資するバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド(VTSAX)と、大型株に投資するバンガード・ラージ・キャップ・インデックス・ファンド(VLCAX)に投資するなら、違う種類のファンドなのだから分散の面でも安心だと思うかもしれない。

しかし、この2つのファンドはオーバーラップしている。VTSAXが連動するCRSP USトータル・マーケット・インデックスという指数に含まれる銘柄の多くは、VLCAXが連動するCRSP USラージ・キャップ・インデックスという指数にも含まれているからだ。

オーバーラップが危険なのは、市場が不安定になって大型株が値下がりしたときに、どちらのファンドも値下がりしてしまうからだ。自分では十分に分散していたつもりでも、実際は大型株の値下がりの影響をダブルで受けてしまう結果になる。オーバーラップは資産形成を妨げる大きな要因の1つとされている。

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