「恋愛脳のせいで浪人」女子大生がハマった暗闇 YouTuber「まみやで」さんに浪人時代の話を聞く

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

彼女は浪人して良かったことをこう話します。

レールの上を歩まなくてもいいと思えるようになりました。もともと自分は周囲に恵まれて、世間の王道ルートを歩ませてもらっていました。だからレールを外れて浪人をしている時もずっと『浪人したらこれくらいの大学に行け』っていうネットの声を見て、『自分はおかしなことをしている』と思っていたんです。でも、大学に入ったらすごく楽しくて、高校生のときに周りに対して持っていた劣等感が消えるくらいポジティブになれました。浪人という失敗があったからこそ、挑戦できる性格になれたんです

周囲を気にせず、自信を持って、自己満足のために浪人していいと当時の自分に言いたいです」と彼女は語ります。

また、「人に対して寛容になった」とも話してくれました。

「浪人をして、人のことをおおらかな目で見られるようになったと思うんです。変なプライドがなくなって、個性的な生き方をしている人に批判的な目を向けるどころか、人生に興味を持って『おもろい!』と思えるようになりました」

まみさんが大学在学中にYouTubeチャンネル「まみやで」の投稿を始められたのも、浪人によって周囲の人の目線が気にならなくなって、やりたいことをポジティブに挑戦しようと思えたおかげだと言います。

現在のまみさん(写真:まみさん提供)

現在、登録者24万人のチャンネルとして大勢の女性の支持を集める当チャンネルで、恋愛や食事・生活に関する悩みを小気味良い関西弁で語っている彼女はまさに「等身大の女友達」のような親しみを覚えます。

人間として成長することができた

「私のチャンネルは女性視聴者が95%なんですが、『実家みたい』といった温かいコメントをたくさんいただいてうれしい毎日を送らせていただいています。私は今まで人と一切喧嘩しないような自己主張しない性格だったのですが、浪人の挫折で少し性格にトゲ(毒)ができてしまったんです。でも、今の自分がYouTube一本で生活させていただけているのは、浪人でできたそのトゲが、自分の人間としての味につながっているおかげだと思います。浪人の経験があったからこそ、人間として成長できて、YouTubeを伸ばすことができたのだと思います」

「浪人の1年って、人生が終わってしまいそうなくらい不安が大きい暗闇の世界にずっといると思うんです。でも、今ではいい思い出話になっていますし、浪人したことに後悔はありません。『悩まなくても大丈夫、いけるよ』と過去の自分や今の受験生の方に伝えたいですね」

若い女性を中心に人気を誇る彼女の表現者としての唯一無二の魅力は、浪人の挫折と成功によってもたらされたものだと確かに実感することができました。

濱井 正吾 教育系ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事