大阪「うめきた新ホーム」線路切り替えの一部始終 約30時間の工事を経て地下線での運転を開始
JR大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」で整備が進められてきた同駅の地下新ホーム。今年3月18日の開業を前に、これまで地上を通っていた線路を同ホームのある地下の線路に切り替える工事が行われ、2月13日から列車が新しい地下線を走り始めた。
新ホームは、うめきたエリアの西側を通っていた「東海道支線」の地下化と合わせて整備。地上時代はホームがなかった同線を地下化し、大阪駅に近接して新たにホームを設置することにより、同線を経由する関西国際空港アクセス特急「はるか」や、特急「くろしお」などの「大阪駅停車」が可能になる。
ホームはすでにほぼ完成しており、地下線への線路切り替えは開業に向けた「仕上げ」だ。工事は2月11日夜から13日早朝まで約30時間をかけ、延べ1500人を動員して実施。特急「はるか」60本などの運休を伴う大規模な工事だった。
工事の難所は「福島駅付近」
「10年以上前、姫路駅付近の連続立体交差化事業で播但線を高架化するときに長時間列車を運休した。それ以来、それ以上の難易度だと思う」。JR西日本大阪工事事務所の石原利信所長は、今回の工事についてこう語る。
線路を切り替えたのは、JR大阪環状線福島駅付近から地下新ホームを経て、新大阪側まで総延長約2.4km。この両端で、新しい線路と既存の線路をつなぐ工事を行った。
難易度が高いのは福島駅付近の工事だ。この部分は既存の線路と新しい地下線が重なっており、既存の線路は切り替え時に撤去しやすいよう、仮設の「工事桁」に載せた形となっている。「この桁をいかに早く撤去するかが一番の難所」(石原所長)だ。同種の工事としては、2013年に地下線に切り替えた東京の東急電鉄東横線渋谷駅付近の例があるという。
鉄道工事では予備日を設定するケースがあるが、今回はなし。このタイミングで実施したのは、訪日客が増える「春節」や、引っ越しなどで移動が増える3月を避けたためという。
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