JR西「大雪で車内閉じ込め」、なぜ防げなかったか 計画運休の判断は?危機回避できた4つの節目
1月24日の夜から25日朝にかけ、JR琵琶湖線・京都線(東海道本線)の山科―高槻間で15本の列車が駅間で立ち往生し、多くの乗客が車内に長時間閉じ込められた事態を受け、JR西日本の長谷川一明社長は26日に東京都内で開いた定例記者会見で、「重大な運行トラブルを引き起こし、多くの乗客のみなさまにご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ありません」と陳謝した。
なぜこのようなトラブルが起きていたのか。時系列で振り返る。
「寒波襲来」警戒はしていたが…
「今週末以降、今季最強の寒波が2回襲来する」。日本気象協会が1月17日に予報を出した。1回目は20日から21日にかけて強い寒気が流入し北海道や新潟、北陸などで雪が強まる。2回目は23日から24日にかけてさらに強い寒気が本州を覆うというものだ。京阪地区を含む広い範囲で降雪があり、「西日本に強い寒気が入るため、大雪や低温による災害に注意が必要」と警告した。
19日には、24日の天気について「近畿地方には10年に1度くらいしか南下しないほどの強烈な寒波が押し寄せる見込み」と発表、23日には関西地区の都市部についても「大雪への備えが必要」とした。
JR西日本は万全の備えをしたはずだった。2005年4月の福知山線脱線事故で乗客・乗務員合わせ107人の死者を出した同社は、「安全の確保こそ最大の使命」として日々の運行に取り組む。2014年10月には台風19号の接近に伴い、大都市圏では初とされる本格的な計画運休に踏み切った。
今回の寒波襲来に際しても23日夜の段階で、東海道本線の大阪―京都間を含む京阪神地区の全線区で運転取り止めの可能性があると発表。警戒を怠らなかった。
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