大阪「うめきた新ホーム」線路切り替えの一部始終 約30時間の工事を経て地下線での運転を開始

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工事は2月13日早朝まで続き、「予定通りに」(関係者)進捗。同日の朝5時13分には「線路閉鎖」が終了し、列車の走行が可能な状態になった。

初めて地下線を走る「確認列車」の1本目は、西九条を5時22分に発車。最初の列車は時速25kmでゆっくりと線路を踏みしめるように走り、5時28分ごろ「うめきた」新ホームを通過。上り・下り計4本の確認列車が走り線路の安全を確認すると、6時16分ごろ、初の営業列車となる特急「くろしお2号」が通過し、地下線経由での運転が始まった。

うめきた新ホーム
うめきた新ホームを通過する1本目の「確認列車」(記者撮影)

将来はなにわ筋線も

線路の切り替えにより、大阪駅地下ホームの開業に向けた準備は整った。3月18日の開業後、新ホームには特急「はるか」や「くろしお」が停車するほか、現在は新大阪止まりとなっているおおさか東線の列車も発着する。

また、2031年春の開業を目指して整備が進むなにわ筋線も同ホームに乗り入れる予定で、地下にはすでに同線の接続に向けたスペースも確保されている。今後、「うめきた」新ホームは関西の鉄道ネットワークに変化をもたらす軸となりそうだ。

今回の工事は予定通り完了したが、JR西日本では1月下旬に琵琶湖線・京都線(東海道本線)で雪のために複数の列車が立ち往生し、乗客が長時間閉じ込められるトラブルがあった。大阪駅の地下新ホームが開業すれば、列車の運転体系もこれまでと変わる。新ホームの役割を十分に発揮するためには、これまで以上にトラブルのない安定した列車運行が重要となってくるだろう。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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