「優秀な部下」に戸惑う人に教えたい付き合い方 部下より仕事ができなくても上司は務まる

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任せるところは、任せる。でも、どこまで部下に仕事を任せればいいのだろう? そう思う人は少なくないはずです。確かに、部下には自由に仕事をしてもらいたい。かといって、優秀な部下に仕事を丸投げしていたら、その上司は仕事をしているとは言えません。

私は、チームリーダーになってからはプロジェクトの主導権を意識しています。抽象的かもしれませんが、自分の箱庭をつくり、部下にはその中で自由に働いてもらうイメージです。具体的には「やり方は任せる。だけど、成果物は自分が納得いくまでチェックさせてもらうスタンス」を取っています。部下が仕事で失敗したときに責任を取るのは、上司だからです。

システムエンジニアには、組み立てたシステムが正常に作動するかどうかテストする作業があります。スマホで「1」と入力したら、画面に正しく「1」と現れるか確認する作業をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。

こうしたテスト項目を、上司がすべて確認するには時間がかかります。そのため、この確認作業自体も部下に任せてしまう人も多いのですが、私の場合は自分への負荷が高くても、納得するまでチェックします。大変ではありますが、部下の仕事をよく観察していると個性が見えてきます。「システムの構築はよくできているけど、最終チェックが甘いな」「仕事は遅いけど、丁寧でミスが少ないな」「あ、この前はここでミスしてたけど、できるようになってる!」。

このように、部下の成果物と仕事の個性を観察してから、任せる領域を増やしていきました。最初は時間がかかります。でも、それも最初だけ。部下の個性・特徴を知り、信頼ポイントを理解していれば、その後の作業はグッとラクになります。

仕事をどこまで任せるか。正解はありません。あくまで私のやり方ですが、参考にしてみてください。

部下への期待値を下げてみよう

どんなに優秀な子だとしても、最初は「ポンコツな過去の自分」として接する。これは部下を持ったときにはオススメの方法です。本当にポンコツだった昔の自分と比べると、たいていの部下は昔の自分より上です。それでも、どんなに優秀だと評判の子がチームに入ってきても、最初は「過去の自分」だと思って接します。そうすれば、丁寧に仕事を教えられますし、何より期待値を下げられるからです。

次ページ「デキる子」として部下を見ていると…
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