日高屋は現在、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県、群馬県、栃木県の1都6県で店舗展開し、2017年5月に店舗数400店舗(FC含む)を達成した。
2023年2月15日時点では440店舗を運営。東洋経済が発行する『会社四季報 業界地図 2023年版』を見ると、「餃子の王将」(王将フードサービス)734店、長崎ちゃんぽんが特徴の「リンガーハット」688店、横浜家系ラーメン「町田商店」などを運営するギフトホールディングス652店などに次ぐ、中華・ラーメン系のチェーン店としては業界4位級の規模とみられる。
創業当初は、当時のサラリーマンが弁当を持たずに出勤する姿が散見され始めたことに外食産業の可能性を感じ 、お店を開いたという。夜の時間帯は駅前の屋台がにぎわっており、いずれは屋台がなくなって飲食店がそれにとってかわる時代が来ると神田会長は考えていた。
コロナ禍の厳しい局面を抜けて回復基調
「日高屋」はラーメンのメニューが多く、ラーメン店というイメージが強いかもしれないが、店名の頭に「熱烈中華食堂」とある通り、“ラーメン専門店”という打ち出し方はしていない。
ここ数年は「ちょい飲み」のニーズも高く、昭和の町中華のように気軽にお酒が飲めるお店としても人気がある。「日高屋」はアルコールや一品料理の単価が安く、お通しも深夜料金もないため、一般的な居酒屋に比べ圧倒的に安く済む。最近は看板にも「ちょい飲み」の文字が入っている。
昼はリーズナブルなランチ、夜はちょい飲みとうまく見せ方を変え、安定した客単価を保っているところが巧みである。ラーメンだけでここまで店舗数を伸ばしていくことは難しかっただろう。「日高屋」の前身である「来来軒」の“町中華”としての役割が令和の今も続いているのだ。
そんなハイデイ日高も行動制限を強いられたコロナ禍の初期には苦戦した。2021年2月期、2022年2月期は営業赤字に沈んだのは、居酒屋的な業態のためだろう。
一方、昨年3月~今年2月の売上高は前年同期比43%増、客数は同29%増、客単価も11%増とコロナの落ち着きとともに回復基調。2023年2月期は営業黒字への復帰が見込まれている。焼き鳥やパスタなど業態を多角化して収益をカバーしてきたが、ウィズコロナの流れとともに「日高屋」をメインとする本来の動きに戻りつつある。
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