池袋は新宿・渋谷と違う「独自路線」を進めるか 乗換駅から目的地、文化の中心に発展…将来は?

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池袋のもう1つの雄である東武百貨店池袋店は1962年の開店。1964年には隣接していた東横百貨店池袋店を譲り受け、規模拡大を果たしている。

後にビックカメラのCMソングにより、東口に西武の駅と百貨店、西口には東武の駅と百貨店があると広く知られるようになった。むろん、西武、東武の社名は、武蔵国の西側、東側を主な営業エリアとしていることが由来で、池袋における東西とは関係ない。だがこのCM自体が、両社における池袋の重要性を表す1つのエピソードである。

もともとは、それぞれ個性を発揮しつつライバル関係にあった両百貨店がタッグを組んで、宣伝展開を図ったことがある。2008年に東京メトロ副都心線が開業し、西武池袋線、東武東上線と相互直通運転を始めたときだ。両線の沿線から新宿三丁目、渋谷へと乗り換えなしで直行できるようになったため、乗換駅として築かれてきた池袋の地盤沈下が懸念されたのだ。

池袋独自の文化が築かれる

けれども西武、東武に加え、1985年に池袋―赤羽―大宮―川越間を直通する埼京線の運転。さらには2001年に湘南新宿ラインの運転も始まって、池袋は主に東京都北部や埼玉県方面の住民にとって、いちばん馴染みの深い繁華街となっている。

娯楽やショッピングの目的地としての地位がすでに確立されており、「池袋離れ」はもはや考えられず、杞憂に終わったと言えるだろう。数十年の歴史を経て池袋は独自の文化を持つようになっており、新宿や渋谷とは求められるものが違っていたのだ。

そしてその文化も時代とともに変わってゆくのは当然。2022年には西武池袋本店の低層階にヨドバシカメラが出店する計画に対し、豊島区長が懸念を示したが、すでにビックカメラやヤマダ電機が主力店舗を東口駅前に構えており、五十歩百歩だとの意見もある。いつまでもパルコの時代ではないということなのか。

池袋駅に乗り入れる埼京線
池袋への人の流れを形作った埼京線(筆者撮影)
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