「認知症の親」から円滑に相続する"1つの方法" "もしも"に備えられる「家族信託」のすすめ
親が認知症になってしまったら、預金はどうなる?
どうしても認知症になった親の預金を引き出したい、実家を売りたいときには、どうするか? そのときに、金融機関や不動産屋さんが勧めるのは「成年後見制度」です。
これに基づいて「法定後見人」(弁護士等)を付けるのです。もちろん、費用がかかります。最初に数十万円。月々3万~6万円。しかも認知症の親が亡くなるまで。仮に月額5万なら、年間60万円、10年で600万円! これは途中で止めることはできません。
しかし、これでも結果としては、大金はおろせず、多くは自宅も売れないのです。後見人は認知症になった方を徹底して守り抜きます。だから財産が減らないように、死ぬまでに使い切らないように、最低限の額しか引き出しを認めてくれません。
自宅の売却については、老人ホームの退去など、万が一のときに戻る所がなくなるので、これには否定的です。特に、預金があるときは、成年後見人の管理のもとで、その預金を使い切らないと自宅売却を認めてくれないのです。成年後見人のケチケチ支出で、預金を使い切るには、数年どころか10~20年かかります。その間、親に不自由な思いをさせて、預金を使い切る前に親は亡くなってしまいます。まさにアリ地獄です。
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