維新・馬場代表「統一地方選は600議席を目標に」 「大阪モデルの成功を堂々と全国に訴えていく」

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塩田:維新は「大阪を東京とは違うもう一つの極に」と唱えています。何が必要ですか。

インバウンドと医療に投資する

馬場:大阪は東京に比べて、インフラ整備は随分遅れています。行財政改革や将来への投資で生み出された財源で整備していくことが必要です。それから地理的・地政学的に東南アジアに近いですから、海外からの皆さん方をインバウンドとして受け入れていく。もう一点、大阪が今、力を入れているのは医療です。「医療といえば大阪」という特色のある取り組みが進んでいます。それによって、大阪だけでなく、関西一円を活性化させる。

塩田:代表就任後、全国行脚を続けているそうですが、大阪以外での維新への期待、あるいは批判などについて、どう感じていますか。

馬場:6年前に幹事長になったころは、全国を回ると、「維新って大阪の政党でしょ」とか「何してる党かようわかりません」とか、批判的な意見が多かった。一昨年の衆院選ぐらいから、自民党の支持層でも「自民党もタガが緩んできてる。誰かにタガを締めてもらわなあかんのとちゃうの」という雰囲気が出てきて、「まじめに政治に取り組み、議論している維新はいいんじゃないの」と、風向きが変わってきたと思いますね。

塩田:ですが、昨夏の代表就任後、特に最近は維新の支持率がやや低迷傾向にあります。

馬場:わが党は、選挙が近づくと支持率が上がり、選挙の本番でピークに達する。その後は徐々に落ちていくという傾向があります。私が代表になって、国政でも新しい国会対策を取り入れ、国会運営でそれをやろうとしています。政治は結果ですから、結果を出すことがわれわれの課題だと思います。

塩田:支持率の低迷傾向は、個人的な人気が高かった橋下徹さん、松井さんの後に登場した馬場さんのキャラクターも影響しているのでは、という声も。

馬場:橋下さん、松井さんはリーダーシップとパワーは大きいものがあり、今までは役職に就いている人間が懸命に働いて、みんなはポカンとした感じという状態でした。私はチームプレー重視で、それぞれのポジションをきちっと決め、責任も課し、目標設定もして進めています。最終的にはそのほうが党のパワーは大きくなると思っています。

塩田:橋下さんと松井さんは今も影響力は大きく、年齢もまだ引退期に達していません。今後の維新と両者との関係をどう考えていますか。

馬場:橋下さんはすでに党員も辞めています。人間的なつながりはもちろんありますけど、党としてのつながりはありません。松井さんは10年間、先頭に立って走り続けてきましたから、ちょっと燃え尽きているというか、疲れているところがあると思うんですね。しばらく休憩してもらえればいいんじゃないかな。

ですが、日本の政治はこのまま自民党「1強」体制が続くと、どうしようもない状況が生まれます。そこで抜本的な構造改革をやれるのは、自民党じゃなく、維新だと思います。そのときに余力が残っていれば、戻ってきて、もう一度、一緒に大改革に取り組んでほしいですね。

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