維新・馬場代表「統一地方選は600議席を目標に」 「大阪モデルの成功を堂々と全国に訴えていく」

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塩田:政党として維新は内在的に3つの大きな課題を抱えていると見ています。第1は、国政で野党第1党を目指す場合、地域政党が原点の維新はどうやって「国政政党の壁」を乗り越えるのか。第2は全国政党に成長した場合、大阪選出の「大阪組」とそれ以外の「非大阪組」の亀裂という問題をいかに克服するか。第3は、勢力拡大で人材が膨張したとき、「玉石混淆の人材の政党」のトップとして党内をどうコントロールしていくかです。

「大阪モデル」を堂々と全国に訴える

馬場:維新が大阪でやってきたことは、これからの政治・行政モデルになっていくと思います。有言実行でやってきたから、大阪で支持が落ちない。兵庫県や奈良県の支持率を見れば一目瞭然ですが、大阪以外でも、特に関西圏では受け入れられてきています。一つの成功例である大阪モデルを、堂々と胸を張って訴えていくべきだと思っています。

人数が増えてくれば、「大阪組対非大阪組」という問題も起こるかもしれませんが、その点はリーダーの一つの仕事です。われわれ大阪の人間が、なぜ維新の会が誕生したのか、なぜ自民党から抜けて一か八かの賭けに出たのか、繰り返し話をすれば、やがて理解が深まってくると思うんです。

各地域を回るときも、自慢話にならないように気をつけながら、これまでの活動を振り返って報告することで、支援が集まってきています。それらの点を認識して、きちっと融和していけるように、リーダーがアクションを起こし、舵取りを続ければ、「亀裂の懸念」は大きな問題ではないと私は思うんです。

もう一つの人材の資質の問題は非常に難しい。党に参加される方を、3回も4回も面接しても、なかなか本性の部分を見抜くことができないのが事実です。ただ、前回の衆院選のころから、わが党に集まる人材は、かなりレベルアップしていると思います。問題を起こしたりしないように、教育は徹底していきたいと考えています。

それと、問題が発覚したときの対応について、「危機管理の基本はスピード」とよく言われます。わが党はスピード感を持った事実調査とか、処分のあり方で結論を得ることを徹底して心掛けています。私の幹事長時代、忍びない部分もありましたが、何回も泣いて馬謖も斬りました。国民の側から見て、潔いな、きちっと対応しているな、身内に甘いわけじゃないんだな、という政治姿勢を取り続けていかなければと思いますね。

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