「働きがいランキング」躍進した3社はここが凄い 「BCG、SAPジャパン、野村不動産」それぞれの強み

拡大
縮小

具体的にどのような点が「風通しの良さ」への高評価につながっているのでしょうか。

自由闊達で、上司にも意見が言いやすい企業文化です。社長や役員も含め、上司の事を役職では呼ばず、「さん」づけで呼び、非常に話しやすい雰囲気です。自らの意見を尊重してくれる文化があります(総合職、男性)
「風通しが良い」という企業風土は非常に実感できる。オンオフのメリハリある社員が多いため、良い人間関係を構築しながら、それぞれが業務に励めている。また上司は部下の意見にしっかりと耳を傾け、取り入れようとし、個性を大事にしている点も「風通しが良い」企業風土につながっている。経営層である役員とも物理的な距離が近く、ふとしたきっかけで雑談ができる環境があり、そこからお互いの人間性を認識できるというのも実感できるポイント(企画、男性)
若手から役員まで風通しが良く役職問わず接点が持てるため、意思疎通がしやすい風土がある(総合職、男性)
子育て世代のパパママ社員は職場の雰囲気もあたたかいので、送り迎え等も業務を調整して、普通に行えていそう。ここ何年かで有給休暇もたくさん消化するように指示がくるため、休みやすい雰囲気もある(不動産開発、女性)

一般的に、会社の歴史が長く事業規模が大きい企業ほど構造的にトップダウン形式の経営スタイルとなり、風通しの悪さに対する声が多く集まる傾向にあります。

しかし同社では、意見を言いやすい風土、その背景にあるフラットな関係性に関するコメントが目立ちました。業務のオンライン化・在宅勤務が増加し対面でのコミュニケーションの機会が減っている今、こうした風土づくりは重要テーマの1つと言えるでしょう。

また、業務における風通しの良さだけでなく、働き方における風通しの良さも高評価の背景にあることが考えられます。

同社は、子育てをしている社員に対する理解の高さ・メリハリを持って仕事に取り組む雰囲気など「ワークライフバランス」に対するポジティブな変化に関するコメントも目立ちました。

社員クチコミをキャリア選択の指針に

ここまで、「働きがいのある企業ランキング2023」にランクインした3社の特徴と、その背景にある社員・元社員のコメントをご紹介してきました。

社員によるクチコミを読むと、その会社の“中の様子”を垣間見ることができます。同じ「順位を大きくアップさせた企業」であっても特徴はそれぞれ異なるように、クチコミを見ると、その企業らしさをより鮮明にイメージすることができます

人も会社も千差万別です。ある人にとって「働きがいがある」会社は、もしかしたら別の人にとってはそうでないかもしれません。転職・就職の際に社員クチコミを通じて企業のリアルな姿を知ることで、自分の求める働き方に合致した企業に出会うことができます

来年はどんな企業がランクインするのでしょうか。ぜひ、来年の「働きがいのある企業ランキング」にもご注目ください。

この記事の画像を見る(5枚)
大澤 陽樹 オープンワーク 代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおさわ はるき / Haruki Oosawa

1985年生まれ。東京大学大学院卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業のマネジャーを経て、企画室室長に就任。新規事業であるインキュベーション(ベンチャー投資)事業やモチベーションクラウド事業の立ち上げ、経営管理、人事を担当。2019年11月オープンワーク副社長。2020年4月より現職。2022年12月、東証グロース市場に上場。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT