マンションの資産価値「今から上がる街」はどこ? 進む東京の再開発、相場が上がる3つの条件

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最後に、最も有望なエリアを挙げておこう。それは青山、赤坂、麻布、いわゆる3Aがある港区だ。港区の再開発は前述した3つの要素をすべて満たしている。

神谷町・六本木一丁目の駅を地下でつなぎ、日本一高いビルが建つ仮称「虎麻ヒルズ」は六本木ヒルズ並みの影響力を持つと想定される。

同様に、虎ノ門ヒルズ駅周辺も同様に複合的に開発される。まだ計画は明らかにされていないが、通称「第二六本木ヒルズ」と呼ばれる六本木5丁目西地区は六本木駅と結節し、六本木ヒルズと隣接する。さらに六本木ヒルズの西麻布側も再開発エリアとなっている。

高輪ゲートウェイ駅周辺や麻布十番駅周辺でも

このほか、49年ぶりの山手線の新駅である高輪ゲートウェイ駅周辺にオフィスビル群が出現し、浜松町駅前の世界貿易センタービルの建て替えに加えて、JRと東京モノレールの駅の改良工事が進みそうで、以前のイメージを大きく塗り替える可能性がある。麻布十番駅周辺もマンションを中心に大規模な再開発が進む。

再開発エリア内の物件は周辺よりかなり高額になるが、冒頭に示した3条件をクリアしていると、その後も価格は上昇しているケースが多い。また、再開発エリアに隣接するマンションは街開きとともにその恩恵を受けて値上がりする。

東京都心のマンション価格はかなり高くなったが、その中でも値上がりを期待するなら、再開発エリアに注目した検討を推奨する。

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沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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