マンションの資産価値「今から上がる街」はどこ? 進む東京の再開発、相場が上がる3つの条件

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3つ目は「集客力」だ。一般的にオフィスビルができると昼間の人口が多くなり、マンションができると夜間の人口が多くなる。裏を返すと、再開発で大きなオフィスビルができただけだと、夜や土日祝日は人影が少ないエリアになり、マンション群だけだと平日の昼がもの寂しい感じのエリアになる。街のにぎわいに必要なのは、商業施設やホテルなどだ。

その意味で、ビル・マンション・商業施設を組み合わせた複合開発をすると、人の集客力が大きく違ってくる。六本木ヒルズも恵比寿ガーデンプレイスも複合開発の見本のようになっているのを思い出してもらえれば理解できるだろう。

東京駅周辺、月島・勝どきは有望

ここからは、今後再開発が進む有望エリアを見ていこう。

東京駅・大手町駅・日本橋駅はビルを中心に開発が進む。丸の内アドレスは三菱地所、日本橋アドレスは三井不動産、八重洲では東京建物が開発主体になる。とくに東京駅の東口である八重洲方面の風景は大きく変わる。この周辺にマンションはなく、不動産事業としての採算がオフィスやホテルに勝てないため、今後も供給される可能性はかなり低いが、出てくれば魅力的である。

次は月島駅や勝どき駅(晴海を含む)といった湾岸エリアだ。ここは大規模マンションの再開発が続く。都心近くのベッドタウンの色彩を強めており、資産価値は堅調だ。ただ、にぎわいという点では、マンションの1階にスーパーが入ったとしても、日用品の買い物に限られるため、大化けすることは期待薄である。

では再開発が断続的に行われている渋谷、新宿、池袋の副都心はどうか。

渋谷は東急が中心になってビル・商業施設を中心に開発が進む。今後大きな再開発としては、桜丘口と渋谷二丁目があるがどちらも駅から距離があるため、その効果は高くはない。ターミナル駅周辺の再開発として過剰な期待は禁物だ。

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