三井物産が就活生1800人を集めて行ったこと 人気企業は、だから説明会の手を抜かない

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説明会会場はブース会場、Skype会場、講演会場の3つに分けられていて、ブース会場には8つのブースが出展されていた。通常の説明会では各ブースごとに違う企業が出展するが、ここでは「部門別仕事紹介」「女性担当職パネルディスカッション」「若手社員の部屋」「関連会社の部屋」「業務職の部屋」「採用担当の部屋」「人事担当役員の部屋」などの名称がついたブースを出展した。

各ブースでは、1日に8回のプレゼンテーションやディスカッションが行われたので、学生は三井物産のさまざまな面を見ることができたはずだ。

「部門別仕事紹介」のブースでは、50分ごとに社員が入れ替わって各自の業務を紹介しながら、仕事の面白さや厳しさを紹介。商社は業務範囲が広すぎてよくわからないと言われるが、このブースでは社員が自らの体験を基に話すので学生からの評判はよかったようだ。

出向は商社マンの醍醐味

出向というと、他の業界では「飛ばされる」というマイナスイメージが強いが、商社においては出向はそうではない。出向で商社マンとしての醍醐味を味わうことができるし、キャリアアップにもつながる貴重な機会と言える。「関連会社の部屋」のブースでは、若手社員と出向先で社長を務める社員が登場して、他業界の出向との違いや仕事の内容などについて説明した。

女子の採用も重視し、女子向けの説明を強化

商社の女性採用は総合職と一般職(三井物産では業務職)に分けられる。業務職は採用人数が少ないものの、人気の高い職種だ。三井物産では、一時期、業務職の採用をやめていたが、最近では業務採用も重視している。「業務職の部屋」のブースで説明を聞いた業務職志望の女子学生は「商社の説明会では一般職向けの説明が少ないので、このイベントに参加してよかった」と言っていた。

そのほか、「女子担当職パネルディスカッション」には、部署の違う女子社員同士によるディスカッションが行われ、多数の女子学生が集まっていた。三井物産は優秀な女子学生を採用するために、「商社イコール男の会社」というイメージを払拭しようとしている。女子向けの説明が充実していたのが、この日の説明会の特徴のひとつだ。

Skype会場でも1日8回のプレゼンテーションが行われた。参加したのは業務を離れて海外で研修や勉強をしている社員たち。アメリカ、ブラジル、チリ、ポルトガル、フランス、ロシアなどとSkypeで結んで学生と交流した。学生にとって、海外勤務を経験した社員と話をする機会はあっても、海外滞在中の社員と話をすることは珍しい。海外社員とのざっくばらんなやり取りは企業研究に役立ったことだろう。

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