就職活動時期の後ろ倒しにより、ようやく来月(3月)から就活生向けの会社説明会が解禁になる。この春に大学4年生になる学生はそろそろ就活モードに頭を切り替え、志望先企業選びを本格化してきているだろう。
志望企業選びにはさまざまな観点があるが、「働きやすい」会社であるに越したことはない。日本の雇用慣行である「年功序列」や「終身雇用制度」が崩れつつあるといわれて久しいが、それでも「同じ会社で長く働きたい」というのは、まだまだ一般的な考えではないだろうか。
そこで、今回は従業員が辞めずにどれぐらい長く働いているかを示す「平均勤続年数」に着目して、「平均勤続年数が長い」トップ200社のランキングを紹介しよう。東洋経済から発売中の『就職四季報2016年版』(総合版、女子版、優良・中堅企業版の3種類を刊行)に掲載されている、個別企業ごとの平均勤続年数を基に算出した。
平均勤続年数は「19年」が一つの目安
データは『就職四季報 2016年版』(総合版)に掲載している1247社のうち、回答のあった1147社を対象に集計した。中途採用を行わず、大卒のみを対象に長らく新卒採用を続けている会社であれば、単純計算で22歳から定年60歳までの38年の半分、19年が平均勤続年数の目安となるだろう。社歴の長い会社で極端に短ければ、長く働けない理由があるかもしれない。
最も長く働ける会社に輝いたのは四国旅客鉄道(JR四国)。平均勤続年数は24.0年で近年不動のトップだ。2位はNTTファイナンス、3位は東武鉄道となった。1月5日に配信した「有給休暇をしっかり取れる」トップ200社でも、NTTファイナンスは5位、東武鉄道は1位になっており、しっかり休めて長く働き続けることもできる「いいとこ取り」の会社といえる。4位には河合楽器製作所、5位に中国電力と続く。
社数は少ないながらも存在感を放つのは、電力・ガスや石油、鉄道といったインフラ系だ。会社の長い歴史と事業の安定感が、長く働き続けられることに繋がるのだろう。エネルギー産業(電力・ガス、石油)20社のうち、15社がランクインした。
鉄道会社の姿も目立つ。19社中8社がランクイン。残り11社の平均勤続年数も長く、就職四季報掲載会社の平均15.2年を下回ったのは、わずか3社だった。上位20社中に5社を占める百貨店も強い。老舗企業が多く、長く培われてきた社風や福利厚生基盤もあるのだろう。女性の平均勤続年数が長いのも特徴的だ。女性の視点からみると全体平均だけでなく、男女別の平均勤続年数も押さえておきたい。
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