「食べ放題店ばかり行く男」と結婚した彼女の観点 8年余の婚活を「戦い抜いた」そして感じたこと

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「一度は私が断ったのに、何もなかったような態度で焼き肉奉行をしてくれました。友だち感覚で男性と一緒にいるのは久しぶりだけど、悪くない!と感じたんです」

そのとき以来、恭子さんによる明弘さんの評価は「まめで、優しい」であり続けている。デートのときも2時間かけて車で送り迎えをしてくれた。結婚した今でも、運転席は明弘さんの定位置だ。

「彼は他人に時間やお金を使うことを厭いません。その気持ちが嬉しいです。以前、日本の大学院を出た人ともデートしたことがあります。話の引き出しが多くて知的だなとは思いましたが、年上なのにケチなんです。少なくとも私に対しては時間もお金も『厭う』人でした」

焼き肉食べ放題でようやくアプリのメッセージ機能を卒業し、LINE交換した2人。その年の年末には東京・築地で朝から飲み歩きデートを敢行した。やはり大いに楽しかったが、明弘さんのほうからそれらしいそぶりはない。恭子さんは「私と付き合うの?どうなの?」とフラットに質問。明弘さんは「付き合うよ」と答え、真剣交際に発展した。

その後、同棲や結婚についても恭子さんが「どうする?」と聞いて、明弘さんが「じゃあ、一緒に住もう」と答えるという“役割分担”は変わっていない。どちらかと言えば恭子さんがリーダーシップをとっている夫婦である。

スポーツエリート明弘さんは、最初の結婚で女性不信に

では、明弘さんは46歳までどんな人生を歩んできたのだろうか。さきほどまで恭子さんと筆者の会話に絶妙な合いの手を入れながら食事を楽しんでいた彼の話を聞こう。

「生まれ育ちは長野県ですが、スポーツ推薦で入った高校からは寮で暮らしていました」

朗らかな笑顔がなければ目線をそらしたくなるような無骨な外見の明弘さん。子どもの頃から一貫してあるスポーツをやっていて、高校時代は全国大会で準決勝進出、大学を経て入社した実業団チームでは優勝を経験した。正真正銘のスポーツエリートである。

しかし、その実業団チームは優勝した年に会社の意向で廃部となった。一般社員として生産現場などで働く道もあったが、明弘さんは高校時代のチーム監督の紹介で転職。その会社のチームも優勝にまで導いている。

さらなる転職先である現在の勤務先にもやはりスポーツチームがあり、明弘さんのポジションが空いていた。高校時代までに培った基本的な能力が高くて人柄もいい明弘さんは「つぶしがきく」選手人生を送っているのだ。平日は営業マンとして、休日はスポーツ選手として活躍する日々。その頃、先輩が10歳年下の会社員女性が前妻の真奈美さん(仮名)を紹介してくれた。明弘さんが37歳のときだ。

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