200人以上が殺到する駅遠・築古の「一芸物件」 「埼玉県鶴ヶ島市」の車マニア向け一軒家

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キーワードは〝代行〟とか〝居ながらにして〟とか〝テクノロジー〟といったところでしょうか。ほかにも、キッチンの換気扇掃除は業者に頼むとか、買い物と調理の作業を省略するために1食分のカット野菜と肉と調味料がセットになったミールキットを利用するとか、ドラム式洗濯乾燥機や食洗機を使うとか、さまざまな形で実践されています。

とくに家事にまつわるものが多いのですが、〝時短〞には手抜きのイメージがあったのに比べ、〝時産〞には暮らしのゆとりを生むというニュアンスが強く含まれているようです

このような変化にもあるように、物件には、「住む」だけではない、暮らしを豊かにしてくれるような価値が求められるようになってきたのだと感じます。

ガレージハウスの物件の例も、車という趣味としての時間を大切にする人からの絶大な支持を得て、200人待ちの人気物件となっている一面もあると考えています。

新型コロナによって変化が加速した住宅事情

さらに、特にここ3年弱で私たちの暮らしを大きく変える要因となったのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。

コロナ禍はまさに災厄でありますが、一方では、仕事の形や人々のライフスタイルの変化を加速させるという思いがけない効果をもたらしました。とくに大きいのがテレワークの一般化です。いまはすでに緊急事態宣言などが出されることはなくなり、通勤も制限なくできるようになっていますが、多くの企業・団体では在宅勤務が一定の割合でつづけられています。

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テレワークによって通勤の必要がなくなったことで増えたのが、家で過ごす時間です。そこからは、おうち需要や巣ごもり消費という言葉も生まれ、人々は従来とは違うライフスタイルを送るようになりました。たとえば、家族の時間、自分の時間、家庭のことをする時間、趣味の時間、自己鍛錬の時間などが増え、それに伴い、いままでとは違う時間の過ごし方、消費行動などがとられるようになったわけですね。

今回は、ガレージハウスを例にしましたが、他にも、家庭菜園付きアパート、ボルダリングの設備がついたアパートまで、趣味に冒頭できる環境への需要もあり、多種多様な一芸物件が人気となっています。

このように、ますます多様化する価値観とライフスタイルを背景に、それらに合わせたニッチながらもたしかな一芸物件が増えていく可能性は十分にあると思います

井上 敬仁 一芸物件専門家

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いのうえ たかひと / Takahito Inoue

株式会社未来人材キャリア開発代表取締役。1967年生まれ、宮崎県宮崎市出身。九州大学大学院総合理工学部卒業後、1992年、株式会社日産自動車入社。2004年より不動産投資を開始し、2016年専業大家として独立。自身が所有するアパートに住む大学生からの就活相談をきっかけに、2019年国家資格キャリアコンサルタント資格を取得。2021年にプロティアン・キャリア協会メンター資格認定を機に、同年、株式会社未来人材キャリア開発を設立。「キャリアカウンセリングつき賃貸」として一芸物件を売り出し、満室経営を実現。現在は、アパートを6棟運営、学生の就活支援などにも従事している。

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