「34歳で仕事リタイア」した僕がお金を貯めるまで 忙しい会社員にもできる「配当投資」のコツ
常に「危険な動き」をしていないかどうか、四六時中パトロールしていないと気が済まなくなっていました。「相場中毒」の状態です。
さらに、離れられなくなったのは「株価から」だけではなくなりました。先ほどのアベノミクスの影響でもお伝えしましたが、「日経225オプション」のような金融派生商品は、日本や世界の政府の政策によって価格が大きく動きます。そうなると、昼間は日銀の政策決定が気になり、夜はアメリカの政策が気になり……。
他にもアメリカの大統領がどんな発言をしたか、FRB(連邦準備理事会。日本における日銀同様の、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関)が何を言ったか……。それらによって、翌日の日経平均株価が大きく動き、結果、「日経225オプション」の価格も変動するため、そういったニュースも気になって気になって仕方がなくなってしまったのです。
だいたいアメリカで重要な政策が発表されるのは日本時間で深夜帯であることが多いので、すぐに速報を確認したいと思うとおちおち寝てもいられません。ただでさえ日中、日経平均がどうなったか絶えず神経をとがらせて疲れているので、いったん寝たら最後、途中で起きられない。だからこそ、一睡もせずに次の日の仕事に行くなんてことも頻繁にありました。
結果、どうなったかはご想像の通りです。体調を崩しました。発熱がしばらく続き、治ったかと思ったらまたぶり返す、というのを繰り返すようになったのです。普通に考えて、平均睡眠時間が3時間という生活が続いていたら、勤務先がブラック企業でなくても体を壊しますよね。
そんな誰が考えてもわかりそうなことに気づきもせず、一体自分は何をやってきたんだろうと呆然としていたのが当時の自分です。だからこそ、これからFIREを目指す人には、私のような遠回りはしてほしくないと思うのです。
先に述べた株式投資やFX投資、仮想通貨などの代表的な投資だけでなく、こういったリスクの高い投資も、忙しい人がFIREを目指すのには向いていないと思います。
マーケットパトロールから解放された
こうして会社員をしながら、世の中にある投資法の多くを試していきました。しかし、どれも大変な手間や時間が取られます。一日仕事をしていた自分には、とてもではないですが、続けられませんでした。
日中、仕事をしている自分にもできて、しかも短期間でのFIREが目指せる投資法はないか―。このころから、「ほったらかし投資FIRE」の模索が始まりました。
まず、これまでの私の投資法の何が問題だったか。主に「株価チャート」に張り付いていないといけないことが大きな問題でした。
では、なぜ「株価チャート」に張り付かなければならないのか。それは、「安く仕込んで高く売る」という投資をやっているからです。このような「キャピタルゲイン狙いの投資」をやっている限りは、マーケットのパトロールから自分を解放することはできません。
では、「キャピタルゲイン狙いの投資」をやめるには、どうすればいいか。「インカムゲイン狙いの投資」に切り替えることです。
ちょっとここで、キャピタルゲインとインカムゲインについて、おさらいをしておきましょう。
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