パナソニック、1兆円戦略投資の"中身" 津賀社長が描くリストラ後のシナリオ
一方、2015年度を最終年度とした現行の中期経営計画だけで見ると、今年度の課題は営業利益率5%を達成することだ。すでに、2014年度内には、3カ年計画の目標だった、営業利益3500億円、フリーキャッシュフロー累計6000億円以上は達成圏内。残るもう一つの目標について、津賀社長は「(2015年度に)こだわってやり切りたい」と意欲を見せる。
利益率改善のカギ握る6事業
そこでカギとなるのが、現状で営業利益率5%に達していない事業部門の採算改善だ。
今回の説明会では、営業利益率5%未満の事業部を初めて公表。消費増税後の反動減が影響した「エアコン」「ライティング」といった家電・住宅関係、また新規の取引先開拓に期間を要する、車載のコックピット周りの「インフォテインメントシステム」、また無線基地局やデータセンター向けのバックアップ用電源などを狙う「2次電池」など計6事業をテコ入れの対象に挙げた。「6事業で(営業利益の)改善ができれば、全社の貢献は大きい」と津賀社長は話す。
「10兆円目標は『できるわけがない』と周りからぼろくそに言われたターゲット。われわれはそれに反発するように、さまざまな取り組みを行っている。すでに構造改革が必要な事業には手を打っており、2015年度以降は売り上げが上がる事業の割合を多くしたい」と、構造改革の"完遂宣言"をした津賀社長。節約路線から一転、成長路線へ舵を切れるか、2015年はまさに勝負の年となる。
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