パナソニック、1兆円戦略投資の"中身" 津賀社長が描くリストラ後のシナリオ
「これまで既存事業はより効率的に、あまり資本を投入せずに利益を上げようとしたが、短期間で伸ばせるチャンスがあれば、戦略投資で一気呵成に伸ばす」。
3月26日、2015年度の事業方針説明会を開催したパナソニック。会見の席で津賀一宏社長はその先の目標である、2018年度売上高10兆円達成に向けて、こう攻めの姿勢を見せた。
巨額投資より数百億円規模のM&Aを実施
同社は今回、2016年度と2017年度の売上高も公表。それぞれ8.4兆円、9.1兆円と設定し、「何としても達成しなければならないという決意の目標」(津賀社長)と述べた。
売り上げ拡大に向け、ポイントとなるのは投資の成否だ。パナソニックは今回、2018年度に向けて通常の設備投資以外の「戦略投資」を約1兆円実行すると発表。資金確保に向け、すでに3月に4000億円の社債発行に踏み切った。
が、過去の巨額投資は失敗も少なくない。「大規模投資の多くが減損につながった」と津賀社長が反省するように、兵庫・尼崎のプラズマパネル工場や三洋電機買収などの決断は、結果的に投資回収が難しくなり、のれんや固定資産の減損として、2008年度以降の業績悪化をもたらした。
これに対して、「大きなM&Aというのは現在、具体的なイメージはない。数百億円規模が基本だ。ただ大規模なM&Aがなくても、1兆円は使えると思っている」と津賀社長。M&Aを行う分野については、「北米のBtoB(法人向け)ソリューション分野は、具体的な話はないが、M&Aがうまくいけばと思っている」(津賀社長)。このほか、住宅分野や車載分野でもM&Aの可能性を示唆した。
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