パナソニック、車載用”秘密兵器”の実力 自動車の運転体験が大きく変わる?
1月12日から米国ミシガン州デトロイトで開催された北米国際自動車ショー。BMWやトヨタなど大手自動車メーカーが最新モデルを華々しく披露するメイン会場の裏手では、車載向け部品サプライヤーが商談ブースを設け、自動車メーカーとの取引拡大にしのぎを削っていた。
その一角にブースを設けていたのがパナソニック。自動車向け電子部品などと合わせ、展示していたのが自動車の運転席周りの「eコックピット」だ。同製品はパナソニックが成長分野と位置づけ、2018年度に売上高2兆円を掲げる車載分野の注力製品。報道陣への公開は今回が初めてとなった。
運転席回りに3つのディスプレー
もともとパナソニックの車載事業はオーディオなどの家電製品から始まっており、カーオーディオ、カーナビゲーションなどの製品が中心だった。ただスマートフォンなどの影響で、同市場は縮小傾向。2013年には約3兆円だったカーナビ、カーオーディオの合計の市場規模は、25年には1兆円規模にまで縮小すると見られている。
代わりに足元で広がっているのが、スマホと連携する「ディスプレーオーディオ」と呼ばれる一体型の製品。さらに今後普及が期待されているのが、メーター部分なども一体化した、同社のeコックピットを始めとする「次世代コックピット」と言われる領域だ。富士通テン、クラリオンといった競合各社もこぞって「次世代コックピット」開発に乗り出している。
パナソニック内では、「今後eコックピットの需要を取り込めなければ、カーナビ、カーオーディオの市場縮小とともに、(自動車の運転席周りの)事業が縮小してしまう」(同社幹部)という焦りもある。では、そのeコックピットとはどんな製品なのか。今回展示されていたeコックピットには、運転席のフロントガラス、運転席前のメータークラスター、運転席横のセンターコンソールの3つの部分にディスプレーが表示されていた。
うちフロントガラス面に映し出される「ヘッドアップディスプレー」では、方向指示や運転速度、燃料残量や着信などの情報が必要に応じて表示される。運転席前のメータークラスター部分に表示されるのは、運転速度、燃料残量といった情報。ただし、こちらはスイッチ一つでナビゲーションのための地図情報に切り替えることもできる。
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