オフィスが担っている主たる役割の1つは、新しいメンバーがほかのメンバーと知り合い、その会社について知る機会を提供することだ。それは、新しい組み合わせによるイノベーションが促進されることだ。
お互いのことをよく知らない、ことによるとまったく知らない人同士、つまり弱い紐帯で結ばれた人たちが偶発的に接点を持つことにより、イノベーションが実現する。斬新なものや傑出したものが生まれる土台になるのは、そのようなシンクロニシティー、俗に言う「給湯室の会話」である場合もある。
社員同士の協力を促すスペースをつくる
アラップのような予算と専門知識がない企業は、協力を促進するためのオフィスをどうやって設計すればいいのか。この点をコレンザに尋ねると、3つのアイデアを挙げてくれた。
1つは、個人用のスペースを減らし、協力のためのスペースを増やすこと。
もう1つは、各チームの会議を会議室ではなく、できるだけオープンなスペースで行うこと。
そしてもう1つは、4半期ごとに席替えを行い、新しい人たちと出会う機会をつくること。
最後に、アラップのジェニ・エメリーの言葉を紹介しよう。
「誰もが平等に仕事の場を確保し、ほかの人たちと出会い、知識を交換して学ぶために、オフィスが必要とされるのです。私たちの学習のかなりの割合は、ほかの人たちと間近で接することにより自然に行われるものだからです。執務スペースの必要性は、今後も変わらないと思っています。ただし、将来はオフィスをどのように活用し、バーチャル空間をどのように活用するかを意識的に考えなくてはなりません」
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