男性誌で「不妊治療」マンガを連載した意外な背景 主人公は胚培養士、作者・おかざきさんに聞いた

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©『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館
©『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館

患者さんの気持ちもそれぞれ

©『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館

――不妊治療はデリケートな側面も多く、人によって捉え方が違うため、踏み込み方が難しいということですか?

生殖に関することなので、LGBTQの話や、男性不妊の場合に精子提供をどうするかという話も出てきて、そうなると養子問題にも発展します。まだ作品として受け入れられないまま患者側から描いて、人によって考え方や捉え方が大きく異なる問題を扱うと、価値観の違いにテーマそのものに拒否反応を起こす読者の方もそれなりにいると思います。法整備が追い付いてない問題をどう扱うかというのは、状況を見ながらですね。

今のところ、ネットやSNSでのコメントは、体外受精の当事者だったり、不妊治療に興味を持っている人たちの書き込みが中心なので肯定的な意見が多いですが、賛否を巻き起こすテーマの場合、不妊治療当事者以外の人たちにどのような受け止められ方をするか正直わかりません。それはこれから不妊治療を始める人も同じ。

出産直後の夫婦間もスタート位置のずれがマラソン5周ぐらい違うように、不妊治療もパートナー同士のギャップが大きい。やはり子宮がある側の負担が大きくなるので、だからこそ、足並みを頑張ってそろえる努力は必要です。

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