男性誌で「不妊治療」マンガを連載した意外な背景 主人公は胚培養士、作者・おかざきさんに聞いた

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©『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館

不妊治療に関するかなり細かいところも描かれている

©『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館

――不妊治療はどうしても女性、男性が強調されるものだと思いますが、主人公の水沢歩はジェンダーを感じさせません。意図されるところはありますか?

女性っぽく描くか、中性的に描くか、あるいは男性か、悩みました。例えば、女性にして「いつか私も産みたい」と思っている、あるいは、自分も体外受精で子どもを産んだ人かもしれないなど背景設定は考えました。

でも単純に、「どういう人に自分の卵を授精させてほしいかな」と思ったときに、私だったら、あまりその人自身に悩んでいてほしくないし、感情的に揺れてほしくない、あるいは感情的にどっちかに寄っててほしくないと思ったんです。だから、中性的にしました。

――かなり細かい描写で、不妊治療経験者でも知らない治療の裏側の世界が描かれている印象です。

手技的なところは細かく描いていますが、技術に直接関係しない治療方針に関しては今のところすっ飛ばしています。テーマによっては患者さんの感情、感覚から入る回も出てくると思うのですが、それはもう少し読者さんとの信頼関係ができてからかなと考えています。どこまで描けるかは、信頼関係がある程度できてからでないと描けないテーマもかなりある気がしています。

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