中居正広の復帰が日本中を笑顔にする3つの理由 なぜ“死"“ヤバイ"という言葉を使ったのか

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さらに過去を振り返ると、2015年6月に喉の良性腫瘍を切除手術したときは約3週間後に、2017年1月に肝炎で10日間程度入院したときは約4年後に、その事実をラジオでひっそり明かしていました。あくまでファンに心配をかけないタイミングで話していたのです。

ただ今回は急性虫垂炎のあとも10月に体調不良で休養し、約2週間で復帰。同15日の「キャスターな会」で、「ホント調子がおかしくて、『1週休んでもちょっとあれかな』と。それで『2、3日大事をとりましょうか』ぐらいで。ラジオでお酒の話してたから『肝臓が悪いんじゃないか』と思ったんだけど、肝臓はボーボーですよ。表現間違えた(笑)。肝臓は普通の数値で全然関係なかったんですけど、微熱も収まったので今週から(復帰します)」などと笑いを交えてコメントしました。

ニュース情報番組でキャスターを務めていることから体調について語るようになった一方で、病状の詳細は語っていません。しかし、11月4日に所属事務所が、「休養するために約1カ月の活動休止」を発表。「なお、本人の気持ちは至って前向きでございます」というフレーズこそあったものの、やはり詳細は明かされませんでした。

さらに、翌5日の「キャスターな会」に出演した中居さんは、「だましだましいきたい。うやむやにしておきたいので」などとコメント。その後、所属事務所が12月2日に「復帰時期の延期」を発表したときも、「(体調の)詳細は慎みたいと思っております」と、詳細を明かさない方針はブレず、年明けの復帰まで休養していたのです。

「古き良きスター芸能人」の美学

中居さんに限らず昭和から平成初期にかけてのスターは、「体調関連の詳細はできるだけ言わない」「ネガティブなことを話して弱さを見せない」という人が多くを占めていました。

「人々の期待に応えるためにスターはスターらしくあるべき」「心配させず、気丈に振る舞うもの」「ただ、隠すために嘘をつくのはよくない」などの美学があり、だからこそ人々は雲の上の存在として芸能人に憧れたところもあったのです。

しかし、ネットが普及して誰でも発信できるようになったほか、芸能人と一般人の境界線が曖昧になった今、そんな美学を持つ芸能人は激減し、中居さんは稀有な存在。見方を変えると、人々が芸能人の情報公開を当然のこととして求める今、中居さんの姿勢は「そのニーズに応えない」とみなされかねません。しかし、人々から不満の声がほとんど聞かれないのは、その功績と人柄をリスペクトされているからでしょう。

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