年収30億円富裕税で日本は平等に貧乏な国になる このままでは金持ちから先に海外へ逃げ出す
コロナ禍に際しても気前の良いほどのバラマキが行われた。最近は防衛費増強での年1兆円の増税が議論を呼んでいるが、1人10万円配布の際には12兆円弱もの金が使われた。旅行支援などでも多額の予算が組まれている。お金に色はないから、防衛費だけでなく、これらの歳出も、いずれは増税で賄わねばならない。増税が嫌なら、バラマキの段階で反対の声を上げるべきだ。
バラマキが、誰か他人のお金で賄える時代はすでに過ぎた。借金額が限界を超えて大きくなってしまったからだ。大きな借金を返すには、「消費増税」か「所得税の課税最低限の引き下げ」以外方法はない。ばらまけば、いずれは他人ではなく、自分たちへの増税となって跳ね返ってくることを認識すべきだ。
法人税収の2023年度予想は13.7兆円。現在23%程度の税率を2倍にしても(そんなことをすると大企業は皆海外に逃げて日本人は職を失うが)、算数の計算でいえば、(あまりにもおおざっぱであることは承知しているが)13.7兆円の増収にしかならない。相続税なら2倍にしても2兆円の増収にしかならない。
金持ちから取ればよいとの議論もよく聞くが、そもそもこの国には金持ちがいないから大きな増収は期待できない。
消費税は1%で2兆円、徴税能力は抜群に高い
少し古い資料で恐縮だが、私が参議院議員の時、2015年5月21日の財政金融委員会で国税当局に聞いた資料が手元にある。それによると総合課税の適用を受けている人が4900万人程度。このうち税率10%以下の納税者は4000万人にのぼる。
したがって日本の人口1億2484万人(2022年12月1日概算値)のうち、たったの900万人しか10%を超える所得税を払っていないのだ(分離課税を除く)。限界税率33%(課税所得900万円)を超える納税者は50万人で、限界税率40%や45%を超える納税者は30万人に過ぎない。
その結果、課税所得900万円という「小金持ちの範疇にも入らないような人」に適用されている33%の限界税率を1%上げても、1%あたり500億円しか増税にならない。一方、5%の限界税率(課税所得195万円以下)を1%上げれば、1%あたり6700億円の増収だ。多少はましだが、いずれにしても、今年度第2次補正予算後の赤字62.4兆円、コロナ前なら毎年30兆~40兆円の赤字を、これだけで埋めるのは不可能である。
それに比べ消費税は1%で約2兆円と徴税能力は抜群で。消費税に頼らざるを得ない。消費税の大増税に課税最低限の引き上げを絡ませるしか、現在の借金を賄う手段は無いということだ。
このまま大きな政府(=大きな歳出)を続けるのなら、「消費税の大増税」+「課税最低限の引き下げ」で、国民全員に大きな負担がかかるのはやむを得ない。または借金の踏み倒し(=悪性インフレ)しかないことを肝に銘ずるべきである。
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