インボイス、業者の猛反発で決まった負担軽減策 売上税額2割、帳簿のみ可、IT補助金など続々

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NOと書かれた手のひらを前に出し拒否する人
小規模事業者だけでなく、俳優や漫画家などの猛抗議もインパクトが強かった(写真:bee / PIXTA)

2023年10月1日導入に向けてもはや待ったなしの「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)」。1月30日(月)公開の「インボイス、請求書も領収書もこんなに変わる!」では、インボイスの仕組みや実際の請求書イメージまで広範に解説した。

だが、これに対して、小規模企業や個人事業主(フリーランス)は猛反発。俳優や漫画家たちの抗議のアピールが反響を呼んだのも事実である。そうした声を受けて、2022年末に決まった2023年度税制改正大綱では、時限的ではあるがいくつかの負担軽減措置が盛られている。

最も大きなものは、特例となる税負担の軽減だ。免税事業者がインボイスの発行事業者の登録をし、課税事業者になる場合、2023年10月1日から2026年9月30日までの3年間、納付する消費税額は売り上げ時に受け取った消費税の20%に抑えることができる。

3年間限定だが税負担などで激変緩和措置も

週刊東洋経済 2023年2/4特大号[雑誌](大増税時代の渡り方)
週刊東洋経済2023年2/4特大号では「大増税時代の渡り方」を特集。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

週刊東洋経済2月4日号では「大増税時代の渡り方」を特集。来るべき大増税時代に備えて、インボイスから、生前贈与による節税法、NISA(少額投資非課税制度)による投資のイロハまで、さまざまな税金との向き合い方を盛り込んでいる。

前述した税負担の軽減で言うと、売上高(消費税のかかる課税売上高)が1000万円以下の小規模事業者であれば、全商品の税率が10%なら、納税額は売上税額100万円の2割=20万円で済む。

また2期前の売上高が1億円以下、あるいは1期前の上半期の売上高が5000万円以下の中小事業者の場合、2023年10月1日から2029年9月30日までの6年間、1万円未満の少額取引なら、インボイスを入手・保存していなくても、帳簿保存のみで仕入税額控除が認められるようになった。

インボイスを1枚1枚確認する手間は大きい。今では3万円未満の取引については、請求書がなくても仕入税額控除ができるが、この名残を小規模事業者の少額取引に残そうということだろう。

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