「アイデアが出ない」悩む人が知らない新・発想力 勉強したくなる「付箋」「勉強袋」が生まれた背景

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見立てる発想法で生み出したアイデア、2つめの事例は、「お米の両面テープ」です。このアイデアは、サンスター主催の「第24回 文房具アイデアコンテスト」で審査員特別賞を受賞しました。

これは「お米」の形に見立てた「両面テープ」です。指にくっつけることで、指1本で本のページをめくることができます。手が乾燥しがちな人にとって、とてもうれしいアイテムです。

このアイデアも、アプローチの種類としては「課題を解決する」でした。製品の課題ではなく、「指が乾燥して、本のページがめくりづらいときがある」という、行動における課題に着目しました。

この課題は、「指に紙がくっついてくる」「指1本でめくれる」ようになれば解決できます。そこで「指にくっつくものといえば?」と考えたところ、浮かんだのが「お米」です。こうして、お米に見立てた「指につける両面テープ」というアイデアが生まれました。

このアイデアの価値も、「指1本でページがめくれる」だけではありません。

「お米に見立てたことで、くっつくアイテムだとすぐにわかる」「乾燥肌の人用に、粘着力が強いもち米。女性用に、細いタイ米など、みんなが使いやすいようにお米にバリエーションを設けられそう」といった付加価値も見えたため、価値のあるアイデアだと考えました。

このように「見立てる」発想法には、以下のようなアイデアが生まれる利点があります。

・「親しみやすいアイデア」が生まれる
・「見た目で機能がわかるアイデア」が生まれる
・「一瞬で伝わるアイデア」が生まれる
・「人の行動を変えるアイデア」が生まれる

そして見立てる発想には、製品の「なにを見立てるか?」によって、さまざまなアプローチが存在します。たとえば、紹介した「課題炎上付箋」や「お米の両面テープ」は、付箋や両面テープの「形」を見立てたアイデアでした。ほかにも、この発想法で考えたアイデアをいくつかご紹介します。

汚れても平気な「パンクヘアー絵筆」

まず紹介するのは、「パンクヘアー絵筆」です。これは「色」を見立てたアイデアです。

パンクヘアー絵筆
(出典:『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』より)

使うほどに汚れてしまう絵の具筆の毛先を見て「どうにかできないか?」と思ったことが、考えたきっかけでした。そこで、毛先が「汚れていく」ではなく「鮮やかに変化していく」という見せ方ができれば、「マイナスをプラスに変える」アイデアが生まれると考えたのです。つまりアイデアのアプローチとしては、「課題を解決する」です。

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