ちなみに、ここには全業種からケースが出ており、その意味では誰にでも揺籃市場で立地開拓に挑むチャンスはあると考えてよい。
なかでも電気、化学、サービスの3業種が突出しているのは、変化が速ければ速いほど、時機を捉えて新たな事業立地を開拓する余地が相対的に大きいということなのであろう。
一見したところ変化の速い商業から成功ケースが2例しか出ていないのは、実は栄枯盛衰が激しいだけで、変化は意外と遅いからなのかもしれない。
そのあたりの区別には注意したい。
「売り物」で成功する3つのパターン
「売り物」を選ぶ自由を与えられたなら、まずは窮地に陥った状況を救いにいくことである。人は、自分では何ともならない状況に陥ったときに差し伸べられる手を、とりわけありがたいと受け止める傾向が見受けられる。
そういう状況に的を絞って売り物を用意すると、感謝されつつ高収益を享受しやすくなる。その具体的な手口として、(1)いざという非常事態、(2)負荷変動のピーク、(3)負荷内容のバラツキ、に売り物の的を絞る3パターンが浮上している。
これは比較的歴史の浅い戦略であり、新興企業が活躍していることがわかる。
そのせいか、「戦略旗手」は創業経営者に偏っており、「戦略特性」も狙い打ちタイプが支配的である。
ここでは、上記3つのパターンで成功した企業を下記に紹介しよう。
日本カーリット(過塩素酸塩、16.7%)
ティーオーエー(業務用AV機器、19.1%)
理研計器(ガス検知器、11.6%)
帝国繊維(防災資機材、15.4%)
大東建託(アパートほか賃貸建物、10.2%)
ジーエス・ユアサ コーポレーション(汎用電源、11.7%)
指月電機製作所(電源補償装置、24.7%)
ホリプロ(タレント、24.3%)
ベルシステム24(コールセンター、11.5%)
ソラン(情報処理結果、11.1%)
協栄産業(ソフトウェア&システム、11.9%)
DOWAホールディングス(ガス浸炭炉、12.0%)
栗田工業(各種化学薬品、14.6%)
多木化学(ポリ塩化アルミニウム、12.3%)
コーセル(標準電源モジュール、23.7%)
ローム(リニアIC、19.3%)
不動テトラ(消波ブロック型枠、15.5%)
* %の数字は、売上高営業利益率の期間中加重平均を指す。対象企業の選別法などについては書籍を参照
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