本書の分析では、他社に先駆けて事業に着手して成功を収めたケース=揺籃市場を攻めて成功したのは、成功ケース151のうち101社、失敗したのは、失敗ケース101のうち7社となっている。
成功ケースの実に3分の2は、揺籃市場のケースに集中する。逆に失敗ケースは数えるほども登場しない。
(外部配信先ではランキングやグラフ・図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
成功が続出して、失敗が少ないとなれば、揺籃期に挑戦しない手はないはずである。
まだ見ぬ新規事業に挑むメリット
高収益事業を創るチャンスの窓は市場の揺籃期にしか開かない。成長期に入ってから追いかけるのでは成功の望みが薄いわりに、失敗のダメージが大きく膨らんでしまう。
もちろん成長期や成熟期まで待って仕掛ける手もあるにはあるが、その場合は主戦場を外して隙間を狙わざるを得ず、事業規模の面で妥協を強いられる。
新規事業を立ち上げるのではなく、既存事業を引き継ぐよう言い渡される経営幹部候補生も、嘆く必要はない。
揺籃市場を攻めた成功ケースの中には、一から起業したケースとほぼ同数の、既存事業から派生した新規事業のケースも含まれているからである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら