実は2度目「キムタク演じる信長」1作目も凄かった 20代で主演した1作目はどう信長を演じたのか
織田信秀の子で織田家の次期当主と目されていた信長でしたが、奇抜な衣装をまとい、子分たちとけんか三昧。冒頭はこのけんかシーンから始まります。
そこに流れるのが、主題歌となったエリック・クラプトンの爽やかな楽曲『Change The World』。時代劇らしからぬと言えばそうなのかもしれませんが、なぜかそんなことは気にならない。信長の青春をこの楽曲が温かく包んでいるように私には感じられました。
若き頃の信長は「髪は茶せん髷にし、髻を紅や萌黄糸で巻き立てお結いになり、朱鞘の太刀をさし」「立ちながら餅をほおばり、人の肩にぶらさがり歩いた」(信長の家臣・太田牛一が記した『信長公記』)と言われ「大うつけ」(大馬鹿者)と評判だったようですが、そんな青年・信長の豪放さを、木村さんはその言動で見事に演じています。
「大うつけ」として、実母・土田御前(演・いしだあゆみさん)や多くの家臣から蔑視される信長。
しかしドラマ前半では、信長が商人が持参した鉄砲に関心を持ち、商人を鉄砲奉行として雇用する描写もあり、それによって、信長の非凡さというものも、ドラマでは同時に強調されています(父・信秀は鉄砲は戦に役立たずとして、興味を示さず)。
実際、信長は若い頃より、橋本一巴なるものを師匠として、鉄砲を稽古していました(『信長公記』)。また、弓の稽古や、兵法の稽古、鷹狩もしていました。竹槍も「短くてはいかん」として長槍に変えさせていたのです。
たんなる「うつけ」ではなかった信長
こうしたことを考えたとき、やはり、実際の若き頃の信長も言動こそ奇抜だったかもしれませんが、なかなかの才能を持っていたというべきでしょう。少なくとも、たんなる「うつけ」ではなかったのです。
さて、そんな信長に縁談が舞い込みます。美濃の「まむし」と言われた斎藤道三の娘・濃姫との婚姻です。道三演じるのは、西田敏行さん。風格・迫力があり“道三もかくや”と思わせる演技でした。
道三は「うつけ」との信長の評判を聞いても、それを心底から信じず、面白がっている。「道楽」のため、濃姫と信長をめあわせると、濃姫に告げるのです。しかし「信長が真のうつけならば殺せ」と濃姫に短刀を渡します。
こうして、濃姫は尾張に嫁いでくるのですが、信長には懇意にしている女性・吉乃がいることもあり、濃姫になかなか心を開こうとしません。そんな2人がどのように想いを通わせていくのかも、このドラマの見所の1つです。
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